電脳タブロイド
チェリーブロッサムの秘密
〜その後のチェリー〜
※この物語は「チェリーブロッサムの復讐」の続編オマケです


登場人物:キ ラ/エンゼル

場所:植物園 桜地区



エンゼル「え……」


キ ラ  「――――おれに断りもせず、勝手におれに触る気なのかよ?」

エンゼル「!」

キ ラ  「いいよ? 俺に触る気なら、触れば? 触って、あとはどうする?
      したいようにするかよ? 自分がしたいように勝手にすればいい。
      おれの意志なんか無視して欲求が満たされるようにやればいい。
      キスでも手籠めにでも、自分が思ったように本能のまま、したいように、力ずくでしろよ。
      俺に何の断りもなく、押さえつければいいだろ。腕力のある男には、容易いことだよな」





キ ラ  「痛いだろ!! いま俺のこと殴った?!」

エンゼル「てめぇが好きなようにしろって云ったんだろ、アホか! 殴ってねェ。弾いただけだ。
      ふざけろ、誰がお前なんか手籠めにするかよ!? 何の勘違いしてんだよ。
      記憶喪失になっても、悪魔にキスなんか絶対にするわけねぇだろが!!
      寝ぼけてんのか、タコ。今までの恨みで殴り殺したい欲求は100以上あっても、
      撫でたいなんて欲求、コンマいっこもねェつーんだよッ!」
キ ラ 「あ〜あ、そう。この俺がせっかく大人しくしてやってたのに、図にのるなよ。
     キラさまを特別に触らせてやっても良いって言ってんのに、拒否るわけかよ。えらそうに」
エンゼル「冗談だろ。そっちこそ何様だ、クソガキ。おまえはチェリーじゃねぇんだからな、キラ!」

キ ラ  「はっはー、残念でした! 実はチェリーは俺だよ。がっかりだったな!」
エンゼル「違う!! おまえじゃねぇよ!!」
キ ラ  「現実を見ろよ、エンゼル? たいてい、俺だろ? お前の夢を壊すのは俺だ」
エンゼル「見てるよ。これは現実だろ。もし、お前だとしたら、チェリーは偽物になる」 

キ ラ  「ニセモノ? ……そうかもな。確かに偽物だよな。チェリーなんて女、この世に存在してない」
エンゼル「だからおまえじゃねぇんだよ。チェリーは、偽物なんかじゃねぇからな。
      チェリーはちゃんと、俺と話をしたんだ。足をバンダナで固定して、この手で触ったんだ。
      リアルに存在してた。いるんだよ。チェリーはいる。俺の中のチェリーは、おまえじゃねぇよ」
キ ラ  「おめでたいヤツだな。だけど信じるか否かは、お前の自由だよな。
      ずっと夢をみていたいなら、そうしてたら? どうぞ? チェリーはおまえの中の現実だ」
エンゼル「おまえは、キラだよな」

キ ラ  「はぁ? 誰に見えるんだよ」
エンゼル「キラだ。おまえはキラだよ。悪魔で最悪の俺の天敵だよな。誰とも間違う筈がねぇ。
      おまえはリアルで、偽物じゃない、キラだ」
キ ラ  「何を云ってんだよ?」
エンゼル「おまえは、偽物じゃないって言ってんだよ。性悪で憎たらしい邪悪なキラそのものだ」
キ ラ  「……ケンカ売ってんのか。そこまで俺に対して云うってことは、今後の晒し者も覚悟するってイミだよな。
      いいね。最高に気分を害した。いいよ。もう帰るぜ。桜なんていい加減、うんざりだ。早く全部散ってしまえばいい。
      あんたもどうぞ帰っていいよ。消えな、愚民」

エンゼル「アホか。不本意だが送って行くからな。てめぇの指図は受けねェぜ」
キ ラ  「はぁ?」
エンゼル「帰路途中でみんなの標的、嫌われ者キラ様が刺されると俺の命に関わるんだよ。
      そんなことになってみろ、俺は番犬に食い殺される。臨時用心棒代理だ」

キ ラ  「あ、そう。じゃ、勝手にしたら。人が良すぎるけど、エンゼルだからしょうがないか。
      ったく。ほんと、俺の用心棒はどうなってんだよ?
      主人の声なんか聴きもしねぇ駄犬ばっかりじゃん……」




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