桜 祭 り 

場所:国立植物園 桜公園特別一区


十壱  


登場人物:/キラ/トキオ(所属:一般人)



トキオ「――――キラさん ごめんなさい」

キ ラ「…どういう つもりだ てめぇ」
トキオ「すいません 本当にすいません」
キ ラ「いいか 俺に触ったら 番犬がお前を殺すからな ナイフを―― 捨てろ」

トキオ「どこにその番犬がいるんですか? あんたの頼りになる用心棒は?」
キ ラ「…ッせぇ ったく 本当に使えない野良犬だぜ 最近色気が出てきて
    使いモンになりゃしねぇや まさか あの犬があんな小動物に嵌るとはね」
トキオ「犬は玩具が大好きなもんでしょ むやみに与えるからそうなるんだ」
キ ラ「そうだよな あんた 意外とわかってんじゃん」

トキオ「嬉しいですよ キラさんに認めて貰えるなんて」
キ ラ「だったらさ もう いいだろ?怪我するもんは しまえよ
    そのナイフで俺に果物でも 剥いてくれるわけじゃないんだろ?」
トキオ「そうですね あなたに静かにして貰うために 持ってきたんですよ」
キ ラ「何故?そんなもんで脅さなくても 俺は暴れないよ おまえ ええと…」
トキオ「トキオです」
キ ラ「そうそう チームは ええと…エンゼルトリ頭のとこには居なかったよな」
トキオ「低俗なハッカー野郎と一緒にしないで下さいよ
    俺はどこにも所属していません 単なるキラさんのサイトのファンだ」

キ ラ「そうそう 覚えてるよ 会いたいってメールくれたよね?」
トキオ「凄いや 覚えてくれてたんですか? 見てくれてないと思った」
キ ラ「いや 俺はメールは必ず見るよ ちゃんと内容も覚えてる
    きみらとは お頭が違うからね 俺に会えて良かったじゃん」
トキオ「じゃあ 今日ここに 俺が来ることも 分かってたんですよね」
キ ラ「でも まさか本当に来る度胸があるとは 思わなかった」
トキオ「あんたは番犬を故意に 避けてたでしょ? そして こんな人気のない
    裏手の桜を 1人で鑑賞してるんだから これは俺を待ってるんだと
    そう思ってもおかしくない」

キ ラ「凄いな ストーカーの正理論だねぇ」
トキオ「少しでいいんだ あんたを 自分のものにできるとは 思ってない
    崇拝してるんだ 俺の神さまなんだ あんた
    だから 少しだけ あんたの手に 触ってもいいかい?」
キ ラ「冗談だろ 俺に触るな 声を出せば 番犬は必ずくる
    おまえ 殺されるぜ 今ならまだ間に合う それを捨てて 帰れ」

トキオ「来るかも知れない でも 来たときには あんたの体は半分くらい血に染まってる
    あんたを殺して 俺も死ぬことにする 番犬に殺されることにする」
キ ラ「物騒なこというなよ トキオ? 何?俺の体が目当てなの?そりゃ俗物だな
    だったら体に 傷をつける必要はないだろ? それとも そういう趣味?」
トキオ「俗物なんかじゃない! 体なんて!そうじゃないよ キラ
    手にキスするだけでいいんだ そんなに拒まれるようなことじゃないはずだ
    俺を 認めて欲しいんだ どうして 拒むんだ」
キ ラ「もっと 気持ち悪い  ヤバイ 駄目だ 貧血起しそうになってきた
    俺は虚弱だから パニックに弱いんだ」

トキオ「だったら 俺の腕の中で 倒れるといい 頭を支えてあげるよ」

キ ラ「!やめろ! 来るなっ!!近づくな―――!…番け 」





十弐