You're Only Lonely
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10月12日 AM04:30
個室居酒屋を出てはしご酒からの帰り道
登場人物:マック/リン
マック「あー……。よく飲んだよな。
久々によく喋ったし。ストレスもこれで発散したな。じきに夜明けだな」
リ ン「飲み過ぎだよ、マックは。強くないくせにな」
マック「ああ、もうじきハロウィンなんだな……。それが終わればクリスマスの装飾だな。
シックスティーズのハロウィンナイト、楽しみだよな。楽しいよ、アレ。
おれ、今年はどんな仮装にしようかなぁ。けどナルセって毎回自分だけやらないけど、今年もやらないの?」
リ ン「ナルセはやらないよ。一度もやったことないからな。毎回お前らだけやれば?って感じだよ」
マック「そかー。しかしモウロウとしてマズイなこれ……。
マジ、サワと一緒じゃなくて良かったわー」
リ ン「はい? それ、俺と一緒ならいいのかよ?」
マック「だってリン先生にはそんな色っぽい気、持てないですよー。あはは」
リ ン「持たれても困るけど、何気に全然ないのも傷つくんですけど?」
マック「んじゃ、ホテル行ってみっか? 一応、試してみる」
リ ン「行きません。リンくんはホモホモしいのはお試し無しですから」
マック「冗談だよー。おまえって、ほんっと、イイ奴だよな! リン!!
ナルセの親友、もったいないわー。おれの親友になって下さい。お願いしまっす!」
リ ン「手を差し出すのはやめてくれない?
酔っ払いに言われても、嬉しいセリフじゃねーから。素面の時に言ってくれよ。
俺っていつも良い奴で終わる人生なんだな、きっと。いいけど別に」
マック「いや、マジで感謝してますよ。泥酔しててゴメン。
もしも誰にも話せなかったら、おれ、病んでたかもしれないだろ。
生まれて初めて、自殺したいと思ったかも。ほんと、リンが聞いてくれて良かったよ」
リ ン「いいや。お前は簡単には病まないね。基本的に病む人種とは、頭の構造が違う。
言いたいこと思いつきですぐ言って、いっとき後悔しても、またすぐ開き直るし。
失敗したら、またやり直したらいいやとか、別の方法でいいやって楽観的に思ってるだろ。
心配性のくせに、対策を思いつくのは早くて、いつもそれが名案だと信じてるだろ。
それがまかり通ると頑なに思ってるだろ。結構、流されやすいくせに頑固だ。
お前はそういうとこ、短絡的なナルセだよ。なんか、意外と共通点あるよ。
ナルセと違うとこは、どうもダメだと感じたらすぐ次の案を考える、切り替えが早いとこだ」
マック「嘘だろ。おれ、ナルセほどおれ様じゃないぜ? 高飛車じゃないし、謙虚で自分を心得てるよ?
でもだって、名案なら通るだろ? なんでダメなの?」
リ ン「そう信じてるなら、そういうひとは、基本的に病みません」
マック「そうなの? だって、しょうがないじゃん。どうしてもダメなら次に行った方が早いんだし、
でもおれだって、悩んだりするぜ? これでも一応、考えてるんだぜ」
リ ン「そうですね〜。めっちゃ人を巻き込んで悩むのは悩むよな。
そして、あげくは他人の意見に左右されることもランダムにある。
お前は頑固と流されるの二重奏だよ。扱いにくい。俺の方が病みそうだわ……ったく」
マック「おまえって苦労性なんだな、リン。でもひとの話を聴ける奴って、そういうタイプだよな」
リ ン「お蔭さまで、うちのバンドには問題児が多いんでねー」
マック「そーかー、大変だよな。お前も。ナルセも大丈夫かなぁ。
あんなにすぐ落ちると、またすぐ浮気するかもしれねぇぜ? 対策を考えた方がいいな」
リ ン「他人事かよ。だいたい、もうお前はナルセにもう手を出すなよ?」
マック「うん。もう、しない。反省しました……。さすがにナルセはマズイからな。
ナルセだと、レイジにすぐバレるだろうし。あんだけ言っといて、速攻他で竿入れしてたら、
さすがにレイジも、おれを信用してくれなくなるもんな。おれの誠実度が疑われる」
リ ン「自分で切っといて信用されてると思ってるお前って、平和すぎるわ……」
マック「だって、そうでも思わないとモチベーションが続かないだろ。
レイジはさ、なんだかんだ言って優しいからさ。茅野もおれも、捨てられないんだよ。
だから、長いこと待てるおれが、降りる方がいいんだって。茅野って怖いみたいだし」
リ ン「恋に自分から降りるは、結局、負け組になるだけだぜ。
茅野さんはマックに感謝しちゃいない。当然の結果だと思うだけさ。
本気で好きなら、相手が強者でも勝ち取らないとさ」
マック「……ま、いいさ。それでも、な」
リ ン「なんだよ、悟ったような顏しちゃって。さっきまで泣き言、愚痴ってたくせに。
どうせ失恋大王のリンさまには、わかんない愛の形な感じなんだろうよ〜ちぇっ」
マック「……あっ!!」
リ ン「えッ?! な、なんだよ」
マック「しまった、写メ、送るの忘れてた! 先月の写真、撮って保存したままだった」
リ ン「写メ? 誰に送るんだ?」
マック「レイジにだよ。おれ、几帳面だから、貰ったモノのお礼写メは送る主義なんだ」
リ ン「……はい?」
マック「しまったな。すっかり忘れてた。あのあとすぐ送っておこうと思ってたのにな。
保存したままだったのか。しょうがねぇな。今からでも送っとくか」
リ ン「え? 送るの? メールを? レイジに?」
マック「つーかさ、おれ、よく考えたんだけどな。
やっぱり最後にセックスくらい、やっといても良かったかもしれないなって。
本番が無理でも、最後のキスとかさ。まぁ、なし崩しになりそうだったってこともあるけど。
でもそういう最後の段取り、つーか、お約束ムード? おれってダメで、ホント抜けてるよな。
田舎者だからかな?」
リ ン「いや、田舎者関係ないし。抜けてるとか抜けてないとかそういうことじゃなくて、そんなお約束はないから。
そうじゃなくて、リンくんが最大限に今、突っ込みたいとこはさ、そこじゃなくてさ、いや、そこもだけど。
あのーあんたら別れたんじゃないの? メールはしてもいいの? どういう神経それ?
……ってとこなんだよッ!! ボケ! (ー_ーメ)」
マック「別れたっていうけど、もともと付き合ってないんだって。寝るのをやめただけで。
だから別にメールするくらい、いいだろ? だってメールはするって断っといたし、一応」
リ ン「えっ。レイジはメールはしてもいいってか?」
マック「いいとは言ってないけどな。ダメとも言ってなかったし。たぶん。
さすがに電話は自分的にNGだから、最後のキスだけお願いしますとか、メールで聞くのはダメかな?
今さらもう無理だよな? きっと茅野が、おれを暗殺するよな? どう思う、リン?
いや……やっぱダメだな。常識的に。しょうがないから件名本文なしで、写真添付だけにしとくよ」
リ ン「……お前、もう許すからサワとラブラブ恋人同士になれよ。お前から常識とか聴きたくないよ。
そしてサワからレイジへのメールを、一切禁止されろッ!」
Photo/Do U like