雪&真理
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氷の恋人の中味

01


登場人物:雪也/アレックス
場所:モデル事務所のシェアルーム


雪   「
別れる!
    もう本当に別れてやる、あんな氷山おとこ!!
    あいつ、人間じゃないんだから!




アレク「そいつは、おめでとう」

雪   「…………(T◇T) 
うえーーーーーんッ。・°°・(;>_<;)・°°・
   アレクは俺のこと、どうでもいいんだぁ!!ぴぇえぇぇぇぇ……


アレク「いや、嘘だよ。悪かったよ。ジョークじゃないか。
     大人なんだからそんな子供みたいに無防備に泣くもんじゃないよ、YUKI?
     Hey baby、泣かないで。話してみろ、おまえらしくないぞ。
     my sweetangel ……smile よしよし」
雪   「子供扱いすんなよ、バカァ……」

アレク「どうしたんだよ。モデル仲間に苛められたのか、ハニー?」
雪   「……はにー言うな。明日から転勤で、パリの支店に行くって……まりちゃんが、言う、んだ」
アレク「マサミチが? 明日からとはまた急だな」
雪   「急じゃないんだよ! あのヤロー、一か月も前にもう決まってたんだ!
     なのに今日になって言うなんて……マンションも引き払ってたんだ、知らなかった。
     なんかお洒落なツリーがあるシティホテルに泊まってたんだ……」
アレク「知らなかったのか? それもどうかと……」

雪   「だって、ロンドン遠征に出てたんだもん、俺!!」
アレク「ああそうだったな。でもパリって云ったら、YUKIを専属起用したいって言ってたDブランドの本社があるじゃないか。
     いっそ、ついて行ったら? あっちで仕事すればいい」
雪   「えー、無理だよ。だって俺、パリ語できないもん!」
アレク「パリはフランス語だからな、YUKI。パリ語とか大きな声で言っちゃダメだぞ」

雪   「そうなの? とにかくどうしてそんな大事なこと、俺に黙ってるんだよ?
     俺はどうしたらいいんだよ? アレク……」

アレク「恋人のおまえに言わないのは酷いな。いつまでなんだ? 長いのか?」
雪   「三年だよ!!」
アレク「三年も? ますます酷いな。氷の塔だな、マサミチは」
雪   「そうだろ?! あんな冷たい男、絶対別れてやる! 捨ててやる! 畜生ーー!!」

アレク「……ふうん。だけどさ、案外、YUKIと切れたかったのかもしれないぜ」

雪   「!!」

アレク「この間、マサミチの会社の仕事をしたんだけどさ、あいつあんなに氷の塔なのに、
     会社の女や、撮影スタッフまでメロメロだった。モテモテだもんな。信じられないよ。
     ニコリともしないのにだぜ? だからYUKIのことなんかどうでもよくなって、
     パリで新しい恋人でも作る気じゃないか?」
雪   「…………!!」
アレク「それにさ、言いたくないけど、マサミチはちょっと変だよ。表情もないし、何を考えてるか分からないし、
    あいつ、賢くても頭がオカシイと思うぜ。頭が良いヤツって変なヤツが多いけど、あれは相当イっちゃってる」
雪   「・・・・・・。゜(T^T)゜。」
アレク「なーんてね。ウソ、ウソ、信じるなよ、YUKI。バカだな……(ホントだけど)
    そんなに涙ためて泣くことないだろ? 今夜はとりあえず氷山男はホテルに泊まってるのか?
    文句を言ってやったのか? 云ってない? バカだな、今から押しかけて行けよ?
    な? 泣くなよもう、YUKIはホントに可愛いヤツだなぁ……マサミチはバカだよ。YUKIを置いてくなんて。
    あの氷山男の恋人じゃなかったら俺が付き合うのに」

雪   「びえええええええ〜(T△T )えーん アレク〜」








 

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