雪&真理
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氷の恋人の中味

 

02


登場人物:真理/雪也
場所:真理の宿泊しているホテル




真 理「おまえ。その顏でよくここまで来れたな」

雪   「だって……だって、えぐえぐ(┰_┰) だってぇ…………」


真 理「ぱぁ。入れ、みっともない。中に入って顏を洗え。それでもモデルか」

雪   「だってぇ、まりちゃぁああん……(>_<)」

真 理「泣くな!

雪   「・・・・・(・.・)ぴえ  」

真 理「よし。ついでにシャワーして風呂に入れ」






☆☆☆



真 理「落ち着いたか」

雪   「……ん。バスローブ借して……」
真 理「俺の話を聴くなりわめいて出て行ったかと思ったら、泣きながら戻ってきて、バカかおまえ。
     俺は明日、発つんだぞ。そんな無駄なことをしてる時間があるのか」
雪   「まりちゃんは……俺のこと明日から残してって平気なのか?
     俺の世界は凄く誘惑が多いんだからな。浮気しても知らないからな。俺ってモテるんだからな。
     アレクだってすごく優しいんだから……」
真 理「浮気するのか、あのガラス目玉と。あのガイジンとセックスするのか」
雪   「やめてよ。ガイジンとかいうなよ。アレクは良い友達なんだ。俺のルームメイトの悪口言わないでくれ。
     俺、人気モデルになったら、まりちゃんなんか相手にもしてやらないんだからなっ。どうよ?!」
真 理「えー大変。そうなったら、真理泣いちゃうかも」
雪   「うそつけっ!! そういうこと何で無表情な真顔で言うのかなッ! ホント、腹立たしい!」

真 理「どうって聴くからだろ」
雪   「どうして俺を放っておけるんだよ?! どうして俺についてこいとか、俺が帰るまで待ってろとか、
     そういうこと、ちゃんと言ってくれないんだよ!! まりちゃんにとって、俺ってなんなの?!」

真 理「・・・・・・・・」

雪   「・・・・・・・・・・・・絶句するようなこと?」

真 理「おまえな。バカが悪化したのか? ぱぁなのか? ぱぁをこじらせたか?
     待ってろって結婚してるわけでもなし、おまえも仕事を放って行けるわけないだろう。
     相変わらず脳ミソがちいさいな。ただあるだけならカニ味噌と替えてもらえ」
雪   「ムカッ〜!! そこまで言うかな?!
     ま、まりちゃんは俺のこと、好きじゃないんだろ…… ん? ちょっと、ナニしてんだよ?」
真 理「好きだよ? こんなに好きだ。バスローブはすぐできるからいいよな。チラチラと見えてるぜ」
雪   「やだ、真剣な話してる時に、やめてよ。あん、足でなんか、弄らないでよ。そんな気分じゃないって、
     まりちゃんのエッチ……。ちょっと、マジ、やめてってば。……あんッ……やだぁ……ア、ン、、」

真 理「おまえは足でされても感じるんだな。 もう半立ちだ」
雪   「や、あ……、あ、ん、 やだ、まりちゃんのヘンタイ…… やめろったら……アアン、
     なんで、そんな無駄に足の指先まで器用なの? そんなにされたら、俺、イッちゃう……やだ、やめて……」
真 理「イケよ? おまえは俺の足コキだけでイッちゃっうような、淫乱なエロいイヤラシイ体なんだよな、雪。
     こっちの突起は? ここは足でも感じるか? どうだよ? 軽く触れるだけでも勃つよな」

雪   「ま、またそういう非人道的なことを言う……。変態か。
     あっ、んん、ダメだってば。そんなふうにしちゃ、だめ、やあだ……あん、はぁ、いやぁ……
     ちゃんと、聞いてよ、あ、あっちに行ったら、外人と、はぁ……あ、あああ、
     アレク、みたいな、青い目の奴と、う、浮気……ん、 する、んだ、ろ……どうせ
     や……やだ……はぁぁ、まりちゃ……いや……」

真 理「しない」

雪   「はぁ、ハァ、ま、まりちゃんは、俺のこと、あ、愛して、ない、んだッ……ああああん」

真 理「愛してるよ」

雪   「……ど、どうしてそんな無表情で言うかなぁ?!」
真 理「こんな顏で言った方が良かったか? アイシテルヨ〜( ̄ρ ̄)ノ 」
雪   「(`´メ (怒) あのねぇ……少しは真面目に……ッ!!」

真 理「ゆき……。もう黙れよ。文句ばかり言ってたらキスもできないだろ」
雪   「……んっ……まりちゃ……」

真 理「外人とは、寝ない。だからおまえがパリに月に一回、来い。
     俺は月に一回セックスすれば充分持つ。なんなら俺が月イチで帰ってもいい。
     帰国理由に恋人とのセックスの為って書くか」
雪   「……どうしてそういう、イカレタようなことを平気で言えるのアンタって?
     信じられない、俺。まりちゃんはとっても頭がいいのに、すごくイッちゃってるひとだ……ん」
真 理「俺はイカれてない。真剣だ……ゆき……もう黙ってろ」

雪   「何だよ……。何をそんなに発情ってんだよ。
     月に一回だけしか発情しないんじゃないの? 昨日、……したじゃん、いっぱい」
真 理「イレギュラーもある。エロい泣き顏して戻ってくるおまえが悪い――――――」

雪   「エロい言うな……ン……まりちゃん……」








『 マサミチって、ヒドイ男なんだろ? 』






そうなんだ、アレク。

酷いんだよ、まりちゃんって。
口が悪くて、意地悪で、真面目なサディストなんだ。

俺、真理ちゃんとは幼馴染で、ずっと真理ちゃんのことが好きだった。

こいつと寝たいと心底夢見ていた学生の頃が今は懐かしい……。
まりちゃんは、学生のときから秀才で裏不良だったんだ。
後輩にモテモテだったから、誰でも抱いたくせに、俺のことだけ抱かなかった。

両想いでもダメだっていうんだ。
俺とのセックスは二十歳を超えてからって、飲酒制限みたいなこと言ってたんだ。

ずうっと、この俺がおあずけを喰っていたわけ。

でもやっと成人して寝てみれば、こんなに絶倫えろえろ魔神だったなんて、ヒドイ。
もう、凄いんだけど。もう、ホント、メロメロになるけど。

もう、まりちゃんなんか…………大好き。
すごく好き。愛してる。ずっと変らず、まりちゃんが俺は好きなんだ。




『 なぁ、YUKI 』

『 おまえのマサミチは、あの氷山男はおまえに本当に優しいのか?
あいつ、笑うのか? 泣くのか? 無表情すぎやしないか?
笑った顏、みたことあるか?
本当に酷いことされてないか?
おまえってちょっと頭が弱いから、DVなのに気が付いてないとか?

マサミチは、本当にどこかオカシイぜ。ちょっと異常だ。いや、相当だ。
イカレテル。気を付けた方がいいぜ、YUKI 』




アレクは知らないと思うけど
まりちゃんて、笑うととっても可愛いんだ。

それで、俺だけに優しいんだ―――。
それで、本当に他人には冷たいんだ……ごめんね。







真 理「ゆき……」

雪   「ん?」

真 理「……いや、いい」
雪   「なんだよぅ?」

真 理「忘れた。おまえはいつも笑ってりゃいい。俺がいなくても笑っていろ」
雪   「へぇ♪ 忘れた? ついに記憶の喪失が始まった? 若年性じゃないの?( ̄ー ̄)♪」
真 理「そうだな。ボケる脳ミソがないおまえはぜんぜん心配ないが、俺は心配しないとな」
雪   「あのね! まりちゃん!! それが愛しい恋人に向かっていう言葉かなぁ?!
     本気で怒るからな、ふざけんなよな!」

真 理「雪。俺がいない三年間は泣くな。いつも通り、へらへらして笑ってろ」
雪   「へらへらなんて笑ってませんー! 天使のスマイルですぅ!!」
真 理「どうしても泣きたくなったら電話しろ。すぐ戻る。俺のいないとこで泣くな。
    それからアレクがおまえに手を出したら、股間の貧相なモノを釣り針に引っかけて、
    魚の餌に垂らしてやると本気でマサミチが言ってたと云っとけ」

雪  「もうー。大丈夫だよ。そんな残虐な冗談言ったらまた怯えるじゃん、アレクのヤツ。
    でもヤキモチ妬いてくれるのは嬉しいけど♪」

真 理「……冗談じゃないけどな」




俺の大好きな、まりちゃん。

クールで優しくて傲慢な恋人。
昔から同じで、まったく変わらない俺だけの恋人。

俺の笑顔を守るのは権利だと思ってる変な恋人。
まりちゃんは、俺のことが何より大事なのだ。
俺を守るために賢く強く生きることを幼少時代から決めていたのだ。

それだけは、知ってる。

クールな恋人の中味は、純粋で真面目で直向きで、
口が悪くてちょっと思い込みが激しい繊細な男なのだと
俺だけが知っているのだ―――。








雪   「まりちゃんてさぁ、鬼畜でエゴイストだって言われない?」

真 理「言われない」

雪   「ホント?」

真 理「ときどき血も涙もないサディストとは言われるけどな」


雪   「…………それ同じじゃね?」





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END

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