☆銀/魂パロディ

誕生日が国の記念日と重なってると祝日だけどなんか損
(前編)


登場人物:土方/沖田/近藤/山崎
場所:真選組 屯所



山崎「副長!おめでとうございます!!」

土方「あ? 何がだ」
山崎「何がじゃありませんよ 今日は5月5日で
    副長の誕生日ですよ!」
土方「ああ そうだっけ そうだったな 忘れてたわ」
山崎「いっつも忘れてんですからね 副長はァ」
土方「別に生まれた日だってだけで 目出てぇこともねぇだろ」
山崎「そんなこと言わないで下さいよ 副長はいつも 自分のこと
    そっちのけなんですから 今日くらいは…」


ダダダダダダ…


沖田ひじかたァァアアアァ!!
   めでてぇなァァァァァー!!



土方ど・わァァァァァッ〜〜!!!



沖田「いやー なんつーか?
    俺的に土方さんのお誕生日を 祝おうと思って?
    そしたら ちょっとテンション上げ過ぎちまったっていうか?」

土方「どんだけテンション上げてんだよ! 人の誕生日に!」
沖田「上げた分だけ気絶してくれっていうか?死んでくれ土方っていうか?」

土方「いちいち語尾上げんな うぜぇわ!
    やっぱおめぇはソレか 危うく骨を折るとこだったわァ!」
沖田「…ちッ 折れてねぇんですかィ 残念だねィ」
土方「なんだとォ?! てめ…」

近藤「まーまーまー トシィ!!
    そーごもちょっと お茶目さんだっただけなんだから
    許してやれよ? な? お前の誕生日で はしゃいじゃったんだよ」
土方「いや 近藤さん 俺の誕生日で 何で総悟がはしゃぐんだよ?おかしいだろ」

沖田「そーでィ 総ちゃん はしゃいじゃっただけでィ ひでぇや 土方さん」
土方「どっちがだァァーーー!?総ちゃん云うな!キモイわ!」

近藤「トシ 今日はお前 非番をやるから ゆっくり休め な?」
土方「いや 急に休めって云われても… 昨日…休みは…貰ったし
    今日はすることねぇ ってか 足をちょっと捻っちまったようだ」
沖田「まー 捻挫ですかィ 軟弱な足ですねィ」
土方「お前が言うな! 誰のせいだ 誰の!!」

近藤「えっ そうなのか! そりゃ大変だ ならちょうどいい
    休んで医者先生に診て貰って来い 誰かに送らせるから!
    オーイ! 誰かトシを車で病院に運んでくれ!」
土方「いや いいよ 捻挫くらいで! ちょ 近藤さん?!
    聞いてねぇのかよ 行っちゃったよもう ったく シップ貼っときゃ治るってのに」

沖田「そうですぜ 俺がちゃんと貼ってあげまさァ」
土方「ちょ 待てや なんで顔に貼ろうとしてんだよ てめぇ!
    俺を窒息させる気か お前の殺意はハンパねぇな」
沖田「足も顔も変わらんでしょうが 細かい男は 嫌われますぜ」
土方「細かくねーわ! 顔と足は 北と南くらい 距離はなれてるわァ!」
沖田「あー じゃあ 真ん中にしときますかィ?
    ちょうどひんやりとして 気持ちイイですぜィ?(ニヤリ)」

土方「アホかー!そんな趣味ねぇわ …コラ!
    やめろ総悟 帯を解くな!!」

沖田「!」

土方「!!」   

沖田「土方さん… これ… 何ですかィ 赤い点々とした…」

土方「なッ なんだよ これは アレだよ そう む 虫… 虫だよッ
    虫に刺されたんだよッ あんまじっと見んなよ 毛虫だよ」
沖田「へぇ… そうですかィ そりゃ凄いでっかいヤツだったんでしょうねぇ
    銀色で くせっ毛の 毛虫ですかィ?」
土方「ななななに云ってんだ そんな珍しい種類のじゃねぇよ?
    ただの毛虫だよ? 茶色のフサフサしたアレだよ ムヒぬっときゃ治るよ」

沖田「治るんですかィ? そんなに刺されてちゃ さぞ痛いでしょうねィ?
    柔らかそうなとこばっか 狙って刺してやがる タチの悪い虫ですねィ」
土方「そ そうだな おい もういいだろ 返せよ帯ッ 着物が着れないだろが」
沖田「別に 着なくてもいいんじゃねぇんですかィ?
    土方さんは 素っ裸で寝て いやらしい虫に 好きなよーに
    好きなトーコ 咬まれてんですからねィ
    あ そういや 昨日 休みとって昼間 出かけてましたよね?
    それ… どこの宿で 咬まれたんでしょうねィ?」

土方「しつけーんだよ どこの宿で咬まれようが お前に関係ねぇだろ」
沖田「俺はね 土方さん あんま浮かれなさんなと 云ってるだけでさァ
    あんた本当に騙されやすいんだから 深入りは ご法度ですぜ?」
土方「俺のどこが 浮かれてるっていうんだよ 云ってる意味がわかんねぇわ
    深入りも 浅入りもしてねぇってんだよ」

沖田「跡が」

土方「あ?!」

沖田「多すぎますぜ そんなに 跡 残させなさんなよ みっともねぇ
    いくらなんでも多すぎまさぁ あんたがそんなに 好き勝手させてるなんざ
    思ってませんでしたぜ どうしちまったんだい あんた」

土方「む… 虫のすることなんざ 知らねぇってんだよ!」
沖田「そうですかィ 虫の躾は難しいですかィ じゃあ 足 お大事に」

土方「…なんだ 総悟のヤツ やけにあっさり引くじゃねぇか…
    こんなもん 見られたからにゃ もっとからんでくると 思ったのに
    なんだアイツ? 今日は張り合いねぇな」



…に してもだ クソ 万事屋め
確かにこいつは多すぎだ 総悟じゃなくても 引くわ

あいつ なんだって今回に限って こんなにつけやがったんだ?
いつもは そんなにつけたりしねぇのにな
イミわからんわ 昨日はやけにしつけぇったら…



………いや イヤイヤイヤ
ちょ しっかりしろ十四郎

何朝っぱらから 色ボケしてんだよ
なんの回想だよ ありえねぇよ
なんか気持ち悪いわ 俺
けど…そういや 何で 昨日だったんだ?

誕生日の今日じゃなくて
そうだ 今日は用事が入ってとか云ってたな…
何だ 用事って…………いや イヤイヤイヤ

関係ねぇから そうだ 万事屋の用事なんて
俺とは これっぽちも関わりねぇから
うん そうだ 関係ねぇ
なんも気にならねぇよ?
気になるわけなんか ねぇじゃねぇか



登場人物:土方/神楽
場所:万事屋 事務所


神楽「なんだマヨ中 何しに来たアルか 銀ちゃんなら いないアル」

土方「…そうか 別に用事じゃない 通りかかったんで
   パトロールついでに 寄ってみただけだ 居なきゃいい」
神楽「着流し着て パトロールかよ なんか気持ちわるいな」
土方「なんで気持ち悪いんだよ」

神楽「おまえ 銀ちゃんのこと 好きなのかよ?」
土方「…はぁ? 何云ってやがる」
神楽「おまえなんか もて遊ばれてるだけネ 体だけの関係ネ
    銀ちゃん 誰にでも優しいから 苛められっ子は ほっとけないだけネ」
土方「なんか今 凄いこと言わなかったか 未成年のくせに
    別に俺は 苛められてなんか いねぇけど?」
神楽「苛められてるアル おまえんとこのドSに
    おまえいつも苛められてるアル 銀ちゃんそれで 哀れに思ってるアル」

土方「総悟のドSはいつもだ あいつのは苛めじゃなくて
    俺を亡き者とするのが 目標で 目的だ」
神楽「じゃあ 死んどけよ マヨニコ中は ドSもゴリラも 暑苦しいおっさんども
    いっぱいいるネ 同じおっさん系列の銀ちゃんなんか いなくていいネ
    もう銀ちゃんに気を遣わせるのは いい加減にやめろよォ
    銀ちゃん マヨの休みにばっかり出かけて… わたし つまんないネ」

土方「!」

神楽「銀ちゃんは 今日は帰らないネ 待っても無駄アル」

土方「そうか 本当についでに寄っただけだ …悪かったな」

神楽「本当に邪魔アル もう来るなヨ でも酢昆布持ってくるなら別ネ
   今度は 手土産に酢昆布持ってこいよォ!」



…ヤバイな
チャイナにも気づかれてんのか?
なんでバレてんだ? 体って…ガキの言うことかよ
けど俺の休みなんて 滅多にねぇぞ?
そんな会ってねぇっつうの…

しかし あれは 嫉妬だな…
チャイナ娘は 俺に妬いてやがるんだ…
なんだかんだ云っても 懐いてやがる

だがいつも あいつと一緒にいれるのは
俺じゃなくて チャイナの方じゃねぇか

…………いや イヤイヤイヤ
なんだ なんだ 何を考えてるんだ?

しっかりしろ 十四郎 捻挫した足のせいか?
そうだ そのせいだ
足がおかしいから 変な考え起すんだ

急な休みだ 風呂にでも行くか
サウナ入って ひと風呂浴びて マッサージチェアにも座って
そうだ ゆっくり リラックスでもしよう




登場人物:土方/桂/攘夷C
場所:健康ランド


男C「いやー やっぱサウナは良いですよねー 桂さん」

桂 「…シイッ その名で呼ぶな! どこに幕府の犬がおるか 分からぬからな
   おれの名前は… カツーラと云え」
男C「いや それあんまり 大差ないですけど せめてもっと仮名にしましょうよ」
桂 「亀井ではない!! 桂だ!」

男C「いや… もう面倒くさいわ アンタ」
桂 「しかしだな それにしても銀時は… いつになったら
   俺のものになってくれるのであろうな…」
男A「ええー?! 桂さん それって…ちょっと…」
桂 「何を引いておるのだ 勘違いをするな 我々のメンバーにということだろうが
   この場所を考慮して喋っておるのだ TPOだ 話をあわせぬか 戯けめ」

男C「ああ そうですか びっくりしました
   場所を考えてって もしかして…ホ○サウナの設定ですか ここは」
桂 「サウナとは そういうヤカラが多いと 聞いておる
   男同士の裸のつきあい そういうことがあっても 不思議ではない」
男C「いえ 偏見です ていうか それはそれで ヤバイです 桂さん
   ですが白夜叉は… いや 銀時さんは
   桂さんのラブコールに 答えてくれそうなんですか?」

桂 「いや 銀時には 好きなひとがいるようなんだ …妬けると思わんか」
男C「え それは… うちじゃなく? どこの組織なんで?」
桂 「なんの話だ おれは銀時が惚れたらしい女について 話しておるのだ」

男C「いや だから アンタいったい何の話をしたいんですか 恋の話?」
桂 「アンタの恋の話なんか聞きたくないわッ どうせアンタも
   いつかは お父さんみたいに 他の女のところへ行くんでショ!
   勝手にしたらいいわ! んもうォ!!」
男A「お母さんんんッ?!てか どんな複雑な家庭環境ォ?!」

桂 「また誰かを守るために 必死になっている銀時を 久々に見たと思ったら
   今度は女だ もし銀時が 変わったのだとしたら
   この世界に また守るものが できたからなのだろうな…
   おまえは 女などのために 必死になったことがあるか?」
男C「俺はアンタの話に ついて行くのに必死ですけど」

桂 「ははは おれの話は突拍子ないか? まぁそうだな 銀時という男は
   そういう突拍子のない男だ 簡単にはいかんのだ うむ」
男C「いや アンタが一番 突拍子ないんですけど」

桂 「そこの あんた」

土方「! …な なんだ 俺?」

桂 「よく顔が見えぬが… お主 かなりの美男子とお見受けした
   女子によくもてるのであろうな まぁ 世間話として きいてくれぬか
   貴殿は女に 必死になったことは あるか?」

土方「さぁな あんたが話してる男は… そんなに女に必死なのかい?」
桂 「銀時のことか? そうだな 最近 ちょっとつきあいが悪くなったのだ
   そんな時は たいてい女子と 相場が決まっておろう」
土方「付き合いが悪くなったくらいで 女ができたって判断か?」
桂 「違うと思うのか? 若いなお主 だが あれが執着するのは
   もう生涯 …あのひとだけだと 思っていたのでな…」
土方「…あのひと?」


男C「ああ! 桂さん!!ヤバイ!
   その男は 真選組の鬼の副長 …土方十四郎だ!!」

桂 「…なにィ?! 貴殿 おれを騙したのか!!」

土方「いや 騙したって おまえが勝手に声かけてきたんだろうが
   まぁいい ここで会ったが百年目だ 神妙にお縄に付けェ 桂ァァ!!」

桂 「わーはははは! 甘いわ! この桂小太郎を
   サウナごときで お縄にできると 思うたか!
   引くぞ!! 食らえサウナ・ボム!!」

土方「…うわッ!爆弾か?!
    ってボイラーに水入れただけじゃねぇかァァァァ!
   蒸気が凄いわ!! ゲホ ゲホッ! かつらァァァァ!!!」 



畜生…
なんだって非番にあんなのと 関わらなきゃなんねぇんだ
まんまと逃げられたが しょうがねぇな
御用にしたくても
マッパじゃ どうにもならんからな
会わなかったことに しておこう
けどやっぱ あいつめ

桂と知り合いだったんだな 今度たたっ斬ってやる

それにしても…
あのひと だと? それは 誰なんだ
あいつの昔の女か?

……………いや イヤイヤイヤ
関係ねぇから 俺にはなんにも 関係ねぇよ?

そうだろ俺 しっかりしろ十四郎
ったく サウナも落ち着けねぇなんてな
そういや そろそろ昼だな

汗を流したら ちょっと腹が減ったな
飯でも食いに行くか…





登場人物:土方/長谷川/定食屋の親父
場所:定食屋


長谷川「あああ〜 また摩っちまったよ〜
     こんな筈じゃなかったのになァ〜
     おやっさぁん 155円で食えるものある? 頼むよ〜」

オヤジ「水 ですかねぇ」
長谷川「水って そんな冷たいこと言わないでくれよォ〜?
     あ そうだ 銀さんにつけといてくれよ 貸したんだよね 馬券代」
オヤジ「おや 旦那は 銀さんと お知り合いですかい?」
長谷川「ああ うん まぁ親友? みたいなものかな…へへ」
オヤジ「それは ようございました それじゃ 銀さんのツケ
    払って下さいよ 旦那」

長谷川「なんでぇー!! だからないって!! 銀さんもツケかよ?!」
オヤジ「そりゃあ 銀さんは ツケとかいう可愛いものじゃねぇですぜ?
     …もうあと少しで 奉行所差出でさ」

長谷川「そうなの? そうかぁ 銀さんも俺と似たようなもんだもんな
     今日はさぁ もう絶対イケると思って 二人でレースに挑んだんだけどさぁ
     もうスカンピンでさ あ でも それがよ 聞いてくれよおやっさん
     銀さん どうやら 好きな女が出来たみたいなんだぜ?」
オヤジ「へぇ あの銀さんがねぇ? 一体どんなお相手なんですかい?」

長谷川「それが いわねぇんだけどさ どうやら 高貴なお嬢さんらしいんだよ」
オヤジ「高貴な? 銀さんが そんなお嬢さんとねぇ?」
長谷川「そうそう! 笑っちゃうよな! 吊り合わないって 絶対!!あはは!」
オヤジ「銀さんは そんなタイプ 趣味じゃないと思ってましたがねぇ」
長谷川「いや〜 なんでも ツンツンしてるとこが たまんねぇらしいよ?
     イヤイヤ嫌い嫌い云われると よけいに燃えるんだとさ」

オヤジ「銀さんって Mでしたっけねぇ? どっちかっていうとSなんじゃ…」
長谷川「イヤキライ云ってるのを 無理やりってやつだよ 銀さんも鬼畜だよなァ
     すごく気の強ぇえ女らしくって 触るのもやっとらしいよ?
     お高くとまってやがるよな でも凄いべっぴんさんらしいぜ
     まぁ銀さん あれで結構面食いだからなぁ」
オヤジ「そうですねぇ 銀さんは面食いでしょうねぇ
     甘党の男は 面食いが多いからね」
長谷川「そうなの? 今日もさ その女の誕生日だから
     一発稼いで 高価なもん買ってやるんだって 張り切っててね
     まぁ でも結果 このザマなんだけどさ」
オヤジ「へぇ それで 銀さんは?」

長谷川「すっからかんで ガッカリして どこか行っちまったよ
     朝から何にも食ってねぇのにさ よほどショックだったのかねぇ
     女にプレゼントできねぇのがさ」
オヤジ「高貴で美人なら たいてい貢物には 慣れてるもんでしょう?
     あの金欠銀さんが 高価なものをプレゼントするなんて
     まぁどうせ無理でしょうよ このままフラれるんですかねぇ 銀さん」
長谷川「不相応な恋なんだよ だいたい銀さんのことなんか
     その女にとっちゃ なんかの娯楽か 冗談だよ 本気なわけないし
     今 振られておく方が 銀さんのためじゃねぇのかな?」

オヤジ「悪いけど ちがいねぇなァ 銀さんは 金欠だけど ああ見えて
     男気があるからね 変な女に引っかかるなら ここで諦めた方が
     いいやね そうか そうか 銀さんがねぇ…
     おや? 土方さん!
     なんだ 来られてたんですか?
     こりゃ 気が付きませんで すいませんねぇ
     今日は着流しってことは オフですかい? 何にしやすか?」

土方 「…ああ オヤジ スマンな 話してるのを邪魔するのも悪いと思ってな
     いつもの 頼むわ」
オヤジ「ヘイ! 土方スペシャル一丁!」

長谷川「あれ あんたは 真選組の…」

土方 「万事屋に行っとけ くだらねぇことしてんじゃねぇってな」
長谷川「え? 博打のことかい? まぁアンタら高級取りからしたら くだらねぇだろうな」
土方 「博打で儲けた金で買ったもんなんかで 女の心なんか 買えやしねぇよ」

オヤジ「お♪ さすが土方さん 色男の云うことは 一味違うねぇ〜」
長谷川「それは もてる男の言い分だろうが もてない男の気持ちなんざ
     あんたには 分かりっこねぇよ フン」
土方 「確かに モテない男の気持ちは 俺には分からんがな」
長谷川「なにそれ! ムカツクんだけど あんたにはさ 女に捨てられるのがイヤで
     情事でしつこく跡を残しちゃうような そんな惨めたらしい男の気持ちは
     一生 わかんねぇだろうよ」 
土方 「…どういうこった?跡だと?」

長谷川「所有の印だよ 自信がねぇんだ 金もねぇし プレゼントもできねぇ
     だが 手放したくはねぇ 誰にも盗られたくねぇ 自分のものだと 知らしめたい
     だからそんなことでしか 自分の主張ができねぇんだよ
     あんたは みみっちい男だと思うだろうが それでも
     それは メチャメチャ惚れてるって証拠よ なんせ 誰にも渡したくねぇって
     いう 静かで大胆な主張だからな 俺には分かるよ 銀さんの気持ち」
土方 「…ふぅん」

オヤジ「あれ? 土方さん なんか顔が赤いですよ?」
土方 「え! ああああ赤くなんかねぇよ?
     いや さっき サウナ入ってきたからかな〜
     なんか 火照るな〜この店」
長谷川「あーあァ 銀さん 今ごろ振られて泣いてるのかねぇ 可哀相になァ
     まぁ最近 らしくもなく 彼女できて 浮かれてたからなぁ
     でも ちょっとはこれで 落ち着くんじゃねぇかな?」

土方 「…振るとは限らんだろう その女が」
長谷川「はぁ?だって 金で男を量るような女だぜぇ? 銀さんには合わねぇよ」
土方 「万事屋が云ったのか そんな女だと」
長谷川「金の使い方が派手だって云ってたね 何でも払ってくれるって
     けど それで銀さん ヒモみたいな気持ちに なったんじゃねぇのかな?
     そうは云わなかったけど 女はさ 男を立てねぇといけねぇよ
     そんなキツイ女じゃ 気遣いもねぇし 優しさなんかこれっぽっちも持ってねぇな
     やっぱ 女は俺のハツみたいに 健気で 一歩下がった感じでないとなァ」
オヤジ「おやぁ〜旦那ァ お惚気ですかい〜?」
長谷川「いやいや おやっさん そんなんじゃねぇよ 照れるだろォ」




…優しさがねぇだと?
気遣いがねぇだと? 金使いが派手だと?

アイツが金欠だから ホテルでも飯でも
俺が 全部払ってやってんじゃねぇかよ?!

俺は フォローの男 土方フォロー四郎だぞ
真選組イチ 気遣いの男だぞ?!
冗談じゃねぇわ 金で人を量ったことなんか 一度もねぇわ
健気で一歩下がってだぁ?

つか 俺は女じゃねぇわ!!
なんでヤツを立てる必要があんだよ そんなもんねぇわ!!

………………いや イヤイヤイヤイヤ
まてよ 十四郎 落ち着け
別にコレ 俺のことじゃないかもしれないよね?
ただ 本当に女の話かもしれないよね?

ってことは 何だ? あいつ 女がいやがるのか?
女がいて なんで 俺にあんな…
…いや それはねぇな
それは ねぇよ
だって

くっそー なんだコレ?
どうなってんだ?

何で今日 一日中 あのクルクル天然パーマの噂を
ずうっと 聞いてんだよ 俺は?
イミわかんねぇわ どんなプレイ?
大体 なんで どこもに居やがらねぇんだ

あのヤローは!


…なんで
なんで あんなマダオと一緒に 今日 競馬なんかしてやがるんだ

俺の 誕生日に なんで

なんで――――――おまえは 居ねぇんだよ ボケ

あのクソバカ 綿菓子パーマ野郎が…





続く⇒

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