☆銀/魂パロディ

似たもの同士のケンカは収拾がつかない(6)

登場人物:銀時/沖田
場所:焼肉屋の前



銀時「総一郎くんよォ
   てめぇとは一回 ナシつけた方が良さそうだと思ってたんだよ
   ノートデスに名前書いてやろうか
   『沖田総一郎 5分後に犬の糞につまずいて 即死』だ」

沖田「名前が間違ってちゃ無効ですぜィ 話ってなんのことですかィ」
銀時「ばっくれんなァ! …アレのことだよォ 分かってんだろが」
沖田「アレですかィ アレはかなり感度が良いみたいですねェ
    旦那も使ってみて 気持ち良くって もう手離せなくなったってワケですかィ?
    旦那もいいかげん好きモノですねィ」
銀時「ちょ なんか いかがわしいモノの話みたいになってんですけどォ?!
    違ってるだろソレ おまえのアレ 何の話ィ?」

沖田「土方でしょう?」

銀時「オィィィ!!合ってるじゃねぇかァァ! 何だよアレ合ってんのォ?!
    使って気持ちイイってどういうことォ?!
    おまえのドSぶりには たいがい銀さんでも引くわァァァ!!」

沖田「旦那 おれの玩具を横取りしといて それはねぇんじゃねぇですかィ
    アレを泣かせたら 報復を覚悟してくだせぇと言ったはずですぜ」
銀時「冗談だとも言ったよね? しかもアレまだ泣いてないよね?」
沖田「そう見せかけて本気 本気と見せかけて 冗談なんでさ」
銀時「分かってるさ おまえの本心なんざな 見え見えだっつーの
    あいつへの執着の仕方なんざなァ 異常でおかし過ぎんだよォ
    サイコだよ サイコ 悪い子は ママにおしおきだよォ
    そうやって大事な土方に 誰も寄せ付けないようにしてきたんだろが
    腹黒ドS王子が いいかげんブラコンも卒業しやがれ」

沖田「…別に ブラコンなんかじゃねェですよ」
銀時「何が別にだ 今更 誤魔化しきれねェんだよ いいか
    土方のヤローを 今後 おまえに拘束するのは やめておけ」
沖田「拘束? 土方さんがおれの何に縛られるってんでェ おかしなことを言いなさる」
銀時「あいつはあれでもな おまえが可愛いんだよォ 心の奥底で 気にかけていやがる
    てめぇのねーちゃんのことの負い目だろうが 分かってんだろ?
    おまえが本気で気持ちを打ち明けようもんなら 振り切るようなマネなんか
    絶対にできねぇんだよ だから絶対マジで口説くな あいつをそんなもんで拘束するな
    銀さんからのお願いです 年月でいったら おれは負けるからな」

沖田「く… っくくくっ 旦那ァ マジで言ってんですかィ?
    こいつァ 驚きだァ おれがマジで土方を口説く? まさかだ
    あんたと違って おれは真性ホモじゃねぇんでね 何を勘違いしてんのか…
    あんなオッサン 本気で口説くわけありやせんぜ
    すっかり恋は盲目って やつですか? 恥かしくならァ」
銀時「恋は盲目でも 暗幕でもいいけど それなら間に入ってくんなって言ってんだ」
沖田「だったら こっちの方が言いたいですがね
    問題のすり替えは困りますぜィ ただ土方に妬いて欲しかったんでしょうが 旦那は
    土方の野郎を 気まぐれに弄んで揺らすのは やめて貰いてェんでさ」
銀時「おれがいつ 弄んだっていうんだよ 冗談じゃねぇぞ」

沖田「あの人は愛だの恋だの免疫がねぇから そういのは隠してても
    すぐ表面に出るんでさ ずっと落ち着かなくて イライラしてやがる
    挙句に あんたと女郎のデートを見て 落ち込む始末だ
    そうなると おれたちの志気が下がる 鬼の副長に色恋なんざ必要ないんでさ
    試すとか 駆け引きとか あのひとは不器用で 一切できねぇんでさ
    そういう面倒くせぇ遊びがしたいなら 他のヤツにしてくれねぇですかィ
    旦那はモテるでしょうが 何も好き好んでアレにする必要なんかねぇはずでしょう」

銀時「てめェが恐くて出来ねぇことを おれたちに強要すんじゃねぇよ」
沖田「…それはどういう意味ですかねィ? 聞き捨てならねェですね」
銀時「いいんだよォ おめぇは 案外まだ子供だからな お子ちゃまだよォ
    ガキは傷つきたくない やわい恋愛ごっこでもしてりゃいいんだよ」
沖田「ガキの恋愛ごっこなんて してるつもりはねェですぜ
    むしろ男色ごっこは 旦那の方じゃねェんですかィ」

銀時「おれが? そうだな 互いに脅しあって こっちを無理やり向かせたら
    刃 向け合って 傷つけてボロボロになっても 相手の胸倉をその手に掴んで
    血反吐吐いて引きずってでも 顔なんか見もせずに繋がっていたい そんなだよ
    いつだってムカツクくらい互いが離せねぇ 何かだよ
    あいつは そうだ 驚くよなァ 真っ直ぐだよ 誰にでもそうなのか?
    少なくとも おれに対しては そうだよ いつもだ 誤魔化してはいるがなァ
    だからおれも そのつもりで向き合わなきゃなんねェと 思ったさ
    面倒くせェなとか もう言ってもらんねェんだよ」

沖田「は そりゃ物騒な関係だねィ そんなダサいこと おれにはつきあいきれねェでさ」
銀時「まァ おめぇには分かるまいよ いつまでも屈折したブラコンにゃ
    おれだってつきあってらんねぇんだよ
    それでも おまえのせいで おれの目くらいは覚めたがな
    お寝坊さんで いつまでも惰眠を貪っていたいタイプなんだがよォ
    ついにオハヨーサンだな だが 恋敵に 礼はいわねぇよ」 
沖田「驚きだ おれを恋敵だと思ってんですかィ 旦那ァ?
    つくづく目出てぇ人ですね あんた」

銀時「あー 言っとけ言っとけ おれは基本 めでてぇ人間だからよォ
    否定はしないよォ じゃあな あとは頼んだわ おれはアレを頼まれるからよォ
    多分 泣かしたりするけどな ヒーヒー鳴かせちゃたりもするけどな
    走って追っかけりゃ まだ間に合うだろ 多分 ゆっくり歩いてるはずだ
    おれが追いつく距離分な カワイイじゃねぇの おたくの副長さんはよ
    そのかわり神楽たちの焼肉代は 頼まれてくれ ゴリラに払っとけ言っとけ!!」


沖田「ちょ…!旦那!!
    ったく 勝手なお人でィ もう行っちまいやがった
    そんなに追っかけていきてぇなら 初めから行かせなきゃいいんだィ
    ガキなのは てめぇでィ
    土方のことなんか 誰も頼んじゃいねぇってんだ クソ…
    ホント ひとの話をきかねぇんだからな」



分かっちゃいたのさ 本当は あの日から

土方さんが二度目に 旦那に出会ったあの日から 分かっちゃいたんだ
嫌な予感はしてたのさ いつか あのひとを 盗られるって

旦那は出会った日から 土方さんの直球ド真ん中なんでェ


それでも おれは 土方さん―――


それでも








それでも やっぱり おれの玩具は 土方さんしか いねぇですぜィ?( ̄ー ̄)
まぁでも 今回は 退屈しのぎにはなったんで 旦那に譲ってあげまさァ




続く⇒(7)

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