☆銀/魂パロディ

似たもの同士のケンカは収拾がつかない(5)

登場人物:銀時/新八/神楽
近藤/沖田/土方

場所:焼肉屋テーブル席



神楽「わァ!銀ちゃん 肉アル! 本物の肉アルね 凄いネ!!
    わたし本当は豚が好きだけど 牛も食べてやってもいいネ
    すき焼だったらブタがいいけど 焼肉だったら牛で食べてやってもいいネ」

銀時「文句言うなら食うな! おまえは豚足でも食べるがいいわァ」
神楽「豚足ゥ?コラーゲンたっぷりネ!!でも私は鉄板で焼くなら牛が良いネ!
    肉!!そっちの皿をよこせよ!!レバ ミノ ハチノス!」
新八「ちょっと銀さん 神楽ちゃん お店で暴れないで下さいよ
    みっともないですよ 肉ごときでカッコ悪いじゃないですか
    神楽ちゃんてば 内臓ばっか食べてるし」
神楽「じゃあ おまえが肉争奪線から離脱するアル 途中参加は認めないアル
    これは真剣勝負ネ いつまでもお遊び気分なら お帰りボウヤ!」
新八「誰も食べないとは言ってないだろ!食べるよ せっかくの肉なんだから
    どうせなら仲良く食べようって言ってるんだろう!」

銀時「あーもー てめぇら!!食い放題なんだから ケンカしなくてもいいんだよォ
    日頃こんなもん食べさせてねぇもんだから 荒んでるのか?
    おれは食育の仕方を間違えたのか? かーぐらァ!内臓ばっかり焼かずに
    野菜も焼きなさァい! 素敵なレディになれねぇぞ」
神楽「ワタシはもう素敵なレディあるよ! 銀ちゃんだって 野菜焼いてないアル!」
銀時「いいんだよ おれは 大人だからな
    おれはもう糖尿で老い先短いから 野菜なんか食わなくていいんだよォ」

新八「二人ともちゃんと野菜食べてくださいよ サラダは頼まなくてもついてるんですから」
銀時「しんぱちィ!バカな子だよ おまえはァァァァァ!!!
    だっから いつまでも駄メガネなんだよ!
    サラダ大量に食わして 肉の注文抑える 姑息な店側の策略なんだよォ
    そんなもんに乗せられてどうすんだ おめーはよ 肉だ 肉を注文しろ!
    このテーブルは赤い流星肉専用だ! 神楽! 次の肉だ!どんどん肉だ!」

神楽「あいよ 銀ちゃん! パッパなんかモッサモッサ食ってんじゃねぇぞォ 駄目ガネ虫!」
新八「ダメガネ虫って どんな虫ィ?!
    ったくもー それにしても…いいんですか銀さん 焼肉なんか食べちゃって
    いくら食べ放題でも ここって江戸でも結構高いお店の方ですよ?
    お金 大丈夫なんですか ぼくら持ってないですからね」
銀時「いいんだよ 心配すんな 仕事料がガッポリ入ったからな
    奮発してくれたんだよォ あのねーちゃん  女郎にしとくの勿体ない良い子だよォ?」

新八「ああ 長谷川さんの紹介の…」


店員
「5番テーブル 3人さま ご案内ーーーー!!」
店員
「喜んでェェーーーーーー!!」


近藤「おっ!」

沖田「あ」
土方「!」

銀時「んあ?」
神楽「ふぉぉッ(もぐもぐ)」
新八「あれ 真選組のみなさんじゃないですか 今日は焼肉ですか?」

近藤「やぁやぁ 新八くん! 珍しいな 万事屋もか? こんなとこで会うとは 本当に奇遇じゃねぇか」
神楽「貧乏だから こんなところで夕ご飯は不似合いだって言いたいアルか ゴリラァ!」
沖田「貧乏人は僻みっぽくていけねぇや 焼き肉食べ放題なんざ犬の餌だぜ チャイナァ」
神楽「なにぉー! 犬の餌だって 立派にうまいアルね!」
銀時「おい神楽 どこ否定してんだよ 突っ込むとこ違うだろ」

近藤「ここで会ったのもなんかの縁だ どうだ一緒にワイワイと
    お妙さんの美しさについて 語りあいながら 皆で食わねぇか」
土方「近藤さん こんな奴らと一緒に食うことはねぇ 別のテーブルを頼みゃいい」
近藤「トシ そういう場の空気を濁すようなことを言うな
    我々は庶民派警察だ 一緒に食卓を囲んで話すのも 立派な職務だ
    なぁ新八くん 未来の弟よ」

新八「誰が未来の弟だ あんた姉上の話をしたいだけだろうが
    別に焼肉を一緒に食べるくらいなら構いませんけど
    姉上のことを何か聞きたいとか言うのなら お断りですからね」
近藤「あっはっはっは 何も聞くことなんかありゃせんよ
    この近藤 お妙さんのことは 何でも知ってるからな」
神楽「だろうよ おめーはストーカーだからな ゴリラ」
近藤「さっきからゴリラって誰?
    さぁさ 皆でお妙さんの優しさについて 語り合おうじゃないか」

神楽「銀ちゃん あのゴリラ お妙お妙って さっきからアネゴのことしか
    言ってないアルよ 何が庶民派ネ こっそり上ロースとってやるヨロシ」
銀時「神楽! やめなさい おれの食育が疑われるだろ
    こっそりとるなら 超特上ロースにしなさぁい!」
神楽「がってんだ! さすが銀ちゃんアルね!」



近藤「…新八くん 新八くん ちょっと ちょっと」

新八「はい?」
近藤「さっきから トシとよろず屋は 全然喋ってないみたいなんだが
    気のせいじゃないよね? 何か知ってる?」

新八「そういえば どうしたんでしょうね
    いつもなら 何かにつけて 二人でケンカしてるのに
    今日は銀さん 土方さんと 全然かち合いませんね」
近藤「そうなんだよ ケンカしねぇのはありがたいが
    ここまで何も起きないと 逆に変じゃねぇかな?」
新八「そうですね そういえば 銀さんも
    仕事から帰ってから ちょっと様子が変かもしれない」

沖田「そうだ ダンナァ 昨夜 艶っぽい姐さんと茶屋へ行くのを
    見やしたぜ 旦那も隅におけねぇやな ねぇ土方さん」
土方「総悟!」

神楽「そうアル! 銀ちゃんは万年グダグダで冴えないお前らとちがって
    やるときには ヤル男ヨ それでいっぱい稼いできて
    焼肉奢ってくれたアルよ!!」

近藤沖田「ええッ!!」

銀時「ちょ おまえ かーぐらァ!
    それじゃまるで 銀さん女衒のヒモかタカリみたいじゃねぇかよ!
    なに 違うよ? なあに そのみんなの 白い目はァ?!
    ちがう ちがう 違うって 銀さん そんな最低の男じゃないからね?」
新八「…銀さん ぼくたち 女の人が体をはって稼いだお金で 飢えを凌げてるんですね
    神楽ちゃん 感謝して戴こうね 残しちゃダメだよ」
神楽「感謝するアル 残さないアル 涙なんて出さないアル …グスン」

銀時「ちょ ナニ なんなの? そのみなさんの冷たい冷め切った目ェ!
    違うよ 違うって オィィィ 新八ィ!なんで今日に限って
    突っ込まねぇんだよォ?! コノヤロー!」
新八「だって ぼくらお肉食べちゃってますもん 牛肉に罪はないですから」
神楽「そうアル 牛さんありがとうアル 銀ちゃんにはもう感謝しないアル」

近藤沖田「・・・・・」

銀時「だッからァ! その同情的な目 なに? やめてくんない?
    貧乏は子供も無理やり大人にさせるねみたいな 親があれじゃねぇみたいな
    軽蔑的同情的な目は いらないからァ!! そうじゃねぇからァァァ!!」

沖田「そういう女性だったんですかィ旦那 悪いとこ見ちまったようですねィ 
    ねぇ 土方さん」

土方「…帰るわ」

近藤「え?トシ? もう帰るの? どうしたんだ まだ半分も食ってないじゃねぇか
    なんだ 具合でも悪いのか? 顔色が悪いぞ 大丈夫か?」
土方「いや 飲みすぎちまっただけだ 心配するな 先に戻ってるよ 悪いな 近藤さん」
近藤「でも トシ…」
沖田「ほっといておやりなせぇ 近藤さん
   土方さんは傷心……いててててててて!」
土方「るッせーぞ 沖田 おまえも一緒に帰るか?」
沖田「イヤでぇ 年老いた土方さんの分まで 育ち盛りのおれが食っておきまさァ」
土方「…ちッ 勝手にしろ」



銀時「よォ 近藤さんよォ おまえんちの副長さんは
    いッつもあんなに そっけないわけ? 宴会でも にこりともしないわけ?」

近藤「いやぁ いつもはそうでもないんだがなぁ どうしたのかな トシ」
銀時「いや でもあのヒト あまり笑わないよね?」
近藤「そうか? そんなことも無いぞ おれらの宴会じゃ 
    トシは笑ってるぞ結構 なぁ総悟?」
沖田「ああ そうですぜ 土方さんはニタニタ笑ってますぜィ」

近藤「いや それはないだろう ニタニタはせんよトシは
    そうだな ほんわか笑顔だ クールで二枚目で ぽかぽかお日様みたいな笑顔だ」
沖田「そりゃありやせんぜ 近藤さん 文法が変でさ
    いいとこ見すぎだ どっちかというと へらへらアホ顔で こう…」
近藤「いやいや そんなことはねぇって トシはアレだよ
    屯所の皆を 見護るように 穏やかに優しく黙って酒を飲んでる感じだよ」
    
銀時「あーつまりこういうことか おれら万事屋が居なけりゃ
    あの鬼の副長サンは 機嫌よく笑ってると」
近藤「そういう言い方をするな 万事屋」
沖田「へぇ? 旦那はあいつの笑顔なんて 見たいんですかィ?」
銀時「ちょ バッァカ言っちゃいけないよォ?
    男の笑顔なんざ どうでもいいんだよ おれはァ? 一般論だよ いっぱんろん!!
    一般的に 不機嫌な顔されるよりは 笑ってる方が接する相手も
    気分良いだろうってことだよ 普通はそうなんじゃねぇのォ?
    空気読めねぇよな おたくの副長サンはァ」

近藤「スマン でもトシは最近 様子がおかしいんだ 許してやってくれ」
沖田「確かに土方さんは ここんとこ 笑っちゃいねぇですぜ
    だから近藤さんが 気をきかせて 外食に誘ったんだ
    それを勝手に帰っちまって ホント空気の読めねェ副長ってな困り者でさァ」
近藤「なんか嫌なことでも あったんかな トシは誰よりも気を使うし
    皆のフォローもいつも忘れない 不器用だが 根は優しいヤツなんだ」
沖田「旦那ァ 胸に手を当てて 考えた方が良いんじゃねェですかィ」

近藤「え? 総悟 それどういう意味? トシに何かしたのか 万事屋?」
銀時「…何もしたくても できねぇっての 
   てめぇは おでん食って 仲良くやってただろ サド王子よォ」
沖田「おやおや 見てたんですかィ そいつは まったく知らなかったなァ」
銀時「白々しいんだよォ おれと目が合ったとたんに しやがったくせに」
沖田「へぇ 何をしたっていうんですかねェ? おれはいつも通りのことを
    土方さんとしてただけですけどねェ 日常茶飯事でさァ
    あんただけが 特別だって思ってましたかィ? めでてェお人ですねィ」

銀時「…表 出ろや」

近藤「あれ? あれ? どうしたのキミたち? 何 どうしたの
   おいさんも仲間に入れてくれよ ナニ? 何の話?
   なんで二人とも 殺気だってるの? ちょ 和もうよ ね?
   一緒に肉 仲良く焼こうよ ね?」
銀時「るせぇ 黙ってろやゴリラ バナナでも焼いてやがれ」
沖田「そうですぜ 近藤さん
   ゴリラの出る幕じゃねェんですよ 焼きバナナ食ってろィ」
近藤「ちょ! ゴリラじゃねェから おれ!! 人間だからァ!!
   それに焼肉屋に バナナなんて無いから!!」

神楽「いちいちうるさいネ ゴリラ!!
    ホモのケツの穴に チン●突っ込むなってんだよォ」
新八「いや神楽ちゃん それホモの痴話喧嘩に首突っ込むなの間違いだから
    ってどんだけ間違ってんだよ!! 普通わかんねーよ!!」
神楽「ほらァ 野菜食え! ケツにバナナ食わしてやろうかァ!
    このケツ毛ゴリラがァ!! ほらァ 下の口で食いやがれ!!」

新八「わァァァー!神楽ちゃん!やめなよ! 女の子が何言ってんのォォォ!?」
神楽「なに夢みてるアルか しんぱちィ!だから駄目ネ ダメガネね!!
    腐女子は皆もっと凄いこと言うアル!!言ってやろうかァァァ!」

新八「ギャーーー!!聞きたくないわァ!言わんでいいわァァァ!!」


近藤「…みんな 酷い おれだけ会話さえも 置いてけぼりなのね?(T_T)」




続く⇒(

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