☆銀/魂パロディ

似たもの同士のケンカは収拾がつかない(3)

登場人物:沖田/土方
場所:おでん屋の屋台

【土方SIDE】


沖田「土方さん あれから一週間経ちますぜ 旦那とは会ってないんですかィ」

土方「…野郎の話はすんな せっかくの酒が不味くならァ オヤジ ハンペンくれ」
沖田「けど あんた最近人相がますます険しくて機嫌悪いって 隊士が怯えてますぜ
    頼むから熱々のおでん液に浸かって火傷して死んでくんねぇかな 土方さん」
土方「悪かったな人相悪くて 機嫌も悪くねぇぜ 上機嫌だ おまえが竹輪の代わりに煮られろ沖田」
沖田「そうですかねェ とても上機嫌には 見えませんけどねェ
    もういい加減 意地張ってないで 謝ったらどうなんですかィ」
土方「は? なんでおれが謝るんだよ? おれは悪くねぇんだよ なに言ってんだ
    ちょ おまえ! 何しやがる おれのハンペン返せよ! 勝手に盗んな!!」

沖田「なんですかィ ハンペンくらいで ケチケチしなさんな そんなんだから喧嘩するんでェ」
土方「それは関係ねェだろ 返せよ ハンペンくらい欲しけりゃ 自分で頼めばいいだろうが
    ったく オヤジ こいつにもハンペン入れてやってくれ」
沖田「いやでィ おれはあんたの器から あんたのハンペンを盗んで食うのが
    快感なんですぜィ あんたが嫌がる顔を見ると 興奮するんでさァ」
土方「ホント 屈折してんな おまえは」
沖田「ホント おでんの具を盗られてこの世を悲観して自殺してくんねぇかな土方」
土方「おまえそればっかだな なんでハンペン盗られたくれェで
    この世を悲観して死ななきゃなんねぇんだよ どんだけ繊細なんだよ おれはァ
    おまえこそ盗ったハンペン喉に詰まらせて死ねや 沖田」

沖田「ハンペン盗られたくれェで死ねだなんて…ひでェや土方さん
    おやっさん この人はね これで警察なんですぜ 世の中どうなってやがるんでィ」
土方「オイィ!! おまえの頭の方がどうなってんのか 知りたいわァ」
沖田「おれのことが知りたいってんですかィ 土方さん…いいですぜ
    恥かしがらずにそう言ってくれりゃ 存分に教えて差し上げまさァ …カラダにね」
土方「最後の単語が余計なんですけどもォ ドSのおまえの知りたいことなんか
    今更何にもねェわ 単に俺の命を狙ってる 腹黒警察官でしかないわ」
沖田「違いまさァ 土方さんが脱落するのを 待ち焦がれてるただのドSでさァ
    いつ真選組の副長の座から脱落してくれるんですかィ」
土方「あーあー また今度なァ」

沖田「おれのことは知りたくなくても あのお人のことは 知りたいんじゃねェんですかィ」
土方「ああァ? 誰のことだよ」
沖田「あんたがケンカして 別れっぱなしの彼氏でさァ」
土方「彼氏じゃねぇよ しつけぇんだよ どうでもいいんだよ あんなヤツァ
    ネチネチ女みてぇにしつけー野郎だよ せっかくの人の好意を無下にしやがって
    なんだってんだ 僻むのもたいがいにしやがれ」

沖田「(それは僻んでんじゃなくてあんたのことを独占したいって想いが強いだけじゃねぇんですかィ)
    へー そうなんですかィ」
土方「んだよ なんか喋ったことより 溜めてたことの方が多い気がするんだがなァ
   何が言いてぇんだ はっきり言えよ」
沖田「別に あんたに教えてやる義理はありやせんからねィ しかもおれにとっては好都合なわけだし」
土方「? どういう意味だ」
沖田「意味… 分かってるんじゃないんですかィ? 全然そんなこと知らないみたいな
   ウブい反応して 本当は全部分かってるんでしょう 土方さん…
   あんたってひとは どこまでも ズルイお人だねェ
   旦那だけじゃなくて おれの気持ちまで もて遊ぶ気なんですかィ?」

土方「…総悟? 何をいってやがる おまえの気持ちって何だよ…」
沖田「おれはァ 土方さんを苛めるのが 趣味で生きがいでやりがいなんでさァ
    突つけるネタは 多ければ多いほど おれの快楽の元気の元なんでさァ
    だァけッどォォッ!!! ひでぇよ 土方さん
    そんな些細なことさえも…おれには許されないって そう言うんですかィィ?!」

土方「些細じゃねェわァァァァァ!! なに なんなのおまえ? どこまでおれが嫌いなの?
    何その ほんのわずかな幸せも壊すんですかみたいな大げさなリアクションンッー?!」

沖田「ま とにかく 旦那に謝んなせェ だいたい悪いのはおめーだ 土方
    夜が暗いのも 太陽が昇るのも おれがあんたを大嫌いなのも
    だいたい全部 あんたのせいでさァ」
土方「夜と太陽は関係ねぇだろ おまえがおれを大嫌いなのは おれのせいかもしれねェけどな」
沖田「土方さん… そんなカワイイことを言ってるから 旦那に欲情されてケツ掘られるんでィ
    あ ちょっと 土方さん あれダンナじゃねェですかィ? ホラ 女と一緒に歩いてるの
    キレイな女ですねェ ダンナも隅に置けませんや でもあれ商売女ですぜィ」

土方「―――――・・・・・」
沖田「タバコ」
土方「・・・は?」
沖田「煙草が 落ちそうになってますぜィ あとアホ面も引っ込めた方が良いですぜ 土方さん」
土方「べべべつに ちょっと手が滑っただけだっつの アホ面いうな」
沖田「あんたがいつまでも意地張ってるから ダンナの心は女の方へ離れちまったんですぜ」
土方「しるかよ 関係ねぇ あんま見るなよ総悟 …気がついたらどうする」
沖田「何かやたらベタベタして楽しそうですぜィ なんだかんだ言っても
    旦那はモテますよね あんたに手ェ出したのも 気まぐれですぜ ありゃ
    遊びだ 遊びで捨てられるんだ ザマミロィ 土方」
土方「関係ねぇって言ってるだろ 手ェなんか出されてねーし 捨てられてもねぇよ シャレだよ
    そーだ お互いシャレなんだよ あんなもん ただの遊びの延長線なんだよォ
    江戸は粋の町だからよォ そういうのもアリなんだよ 奇抜なセフレってやつだよ」

沖田「あれ 認めるんですかィ? 旦那との関係」
土方「どォせ 黙ってたって おまえにはバレてんだろ どーでもいいわ そんなん
    それにもう 関係ねぇんだしな シャレ遊びにも 飽きちまったしな」
沖田「そーですかィ あ 旦那がこっちに気づいた
    だーんーなァーー……ゴホゴホッ! ゴボ・ゲェェェ!!
    なにすんでェ 土方コノヤロー!! 死んじまうだろうが!」

土方「でかい声出すなっつーんだ! ボケ 呼ぶんじゃねェよ 気不味いだろが!!
    相手は女連れだぞ 空気読めよ!」
沖田「じゃあ おれたちも チューでもして 見せ付けてやりますかィ?」
土方「なんでおれがおまえと チューせにゃならんのだ 断るわ…ムゴムゴ…むん…んっ
    …んッ な なにすんだよッ!!コラ 舌入れんな!! 放しやがれ!」
沖田「チューくらいいいでしょ 粋な遊びなんでしょうが おれともしましょうぜ?
    旦那と出来ておれとは出来ないってな どういうことなんですかィ」
土方「どういうことって 何言ってんだよ てめェ おれがそんな遊び 喜ぶとでも思ってんのか」

沖田「えぇー?!」

土方「なんでそこで驚いてんだよ?! おまえが驚く意味がわかんねェわ!」
沖田「おれは土方さんの嫌がることしかしてねぇつもりだ おれにはわかるんでさァ 愛の力ですかねェ」
土方「正しい愛じゃねーからソレ 正しい愛の形じゃねぇから  おまえの愛は ドSでいたぶって 殺す愛だからァ!!」
沖田「わかってんなら 早くおれの想いを遂げさせやがれ 土方」

土方「ソレ おれに死ねって言ってるよね?」
沖田「そーでさァ 恥かしがらずに死んでくだせェ」
土方「断るわァァァァァ!! どんなシャイボーイィィ?!」
沖田「ちぇ せっかく両想いになれると思ったのに がっかりでィ」
土方「ったく つきあいきれねェわ オヤジ 蒟蒻と玉子 追加な
    それと酒もだ …って そーごォォォォ!? またおまえ ソレおれの玉子だっつーの!」
沖田「もぐもぐもぐ…玉子くらいでギャーギャー叫びなさんな みっともねぇえすぜィ
    土方さん そんなこんなで よろず屋の旦那ァ 茶屋に入っちまいましたぜ どーすんでィ」

土方「どうって 男と女が茶屋でするこた ひとつだろうが 玉子とハンペンの分 おまえが払えよ」
沖田「せこいお人でィ 本当にいいんですかィ? 姦通罪でしょっ引いてやりましょうか
    オヤジ 今日は土方の奢りだから よろしく」
土方「適応しねぇだろ 自由恋愛は警察の管轄じゃねぇ オヤジ 総悟の分は別会計でよろしく」
沖田「なに言ってんですかィ ありゃ風俗ですぜ フーゾク 相手はどう見ても女郎だ」
土方「結婚してる男の浮気ってわけでもねぇだろが 警察はそこまで野暮じゃねぇし
    おれもおまえも 今は非番だ 放っておけ」
沖田「・・・・あんまり」

土方「あん?」
沖田「あんまり意地張ってると 大事なものを失くしますぜ アンタ」
土方「…別に大事なんかじゃねぇよ んなもの おれの大事なものは 真選組だけだ」

沖田「そんなにおれのことを…土方さん 鎖で繋いで庭で飼ってやるから
   さんべん回ってちんちんした後 興奮してションベンしやがれィ」

土方「鬼畜ド変態野郎を抹殺したあとの真選組だけで お願いします」



続く⇒(4)


※続きが読めねぇってんなら窓を閉めて戻ってくだせぇ