ROOM 03
■テキーラ&ブロンクスの部屋■

登場人物:キラ/番犬
場所:不気味な洋館(Fの館) ゲスト部屋



キ ラ「あ〜ァ、なんだミモザのやつ、下らないこと抜かしてやがるなぁ…。
    下等庶民に、俺さまが同情されるなんて屈辱的だ。ムカツク。
    明朝、速攻でお仕置きの刑だな。…で、ラスはと…あーあ、相変わらずお盛んなこと。
    なんかつまんねーな、色気ないミモザとマザーのカマトークと、
    色欲しかないエロオヤジどもの部屋なんか見てもさぁ…」

番 犬「何を見てる?」

キ ラ「んー?各部屋に取り付けてある監視モニターのハッキング画面」
番 犬「また覗きか。どこの部屋でも見えるのか?」
キ ラ「また云うな。どこでも見えるぜぇ?隠しカメラがついてるってことは、
    あの変態そうな執事も観てるんじゃねぇの?好きモノそうだったし」
番 犬「ここも、覗かれてるのか?」

キ ラ「それは大丈夫。ここのカメラは、どっかの動物園の監視カメラと繋げといたから。
    ハッカーは覗くのは好きだけど、覗かれるのは好きじゃない」
番 犬「誰だって好きじゃないと思うがな」

キ ラ「そう?番犬は、どこを覗きたい?どの部屋でも見れるぜ。
    キールの部屋にする?あんたキールのこと心配じゃねぇの?
    だいたいお前は、キールと同じ部屋にすれば良かったのに。
    そしたら、朝までやりたい放題じゃん?残念だったな。
    なのにアンタの子猫ちゃんは、バカ息子と相部屋だ。
    今ごろキール、あの鬼畜息子に犯されてるんじゃないの?
    …デバガメる?」

番 犬「どうせお前に覗かれるんじゃ、同じ部屋でもする気にならねぇな」
キ ラ「うっそー。アンタって見られてると興奮するんじゃないのぉ?」
番 犬「そういう奴もいるが、俺は狩りを見られるのは、好きじゃない」
キ ラ「…狩り、ね。お前も鬼畜だったな、そういえば」
番 犬「それにキールは、ウオッカに惚れてると言ってた。
    別にやっていてもおかしくはない。ただ、いい気分じゃないがな。
    俺との契約がある限りは、俺のものだ」

キ ラ「ふうん。意外に独占欲強いんだ、お前って。じゃ、奪いに行けば?」
番 犬「俺は、お前の用心棒だ。傍を離れるわけにはいかない。
    こんな怪しい洋館では、尚更だ。ここは罠かもしれない」
キ ラ「まさか。けど今日はオフだよ。社員旅行っていうのは、オフだろ?」
番 犬「社内旅行、ならオフじゃない。社内なら俺は仕事をする」
キ ラ「つまんねぇ。だいたい何で社員旅行なら、エンゼルとか、バカ息子とか、
    部外者が何人も来てるんだよ?」
番 犬「招待だ。ボスが友達を一人だけ呼んでいいと云った。
    俺はエンゼル、キールはウオッカを招待した」
キ ラ「じゃ、なんでカミカゼくんもいるの?」
番 犬「知るか。あいつはお前が招待したんだろ」

キ ラ「だってぇ、エンゼルひとりじゃ、寂しいかと思ってさ。部外者は気兼ねするだろ」
番 犬「気の利く配慮か。だが、信じがたいな。理由は他にあるんだろ。吐け」
キ ラ「俺だって、気くらい遣いますぅ。ほら、あれ、カミカゼってさ、
    エンゼルが、好きなんじゃねぇかな?面白いだろ」
番 犬「?エンゼルがチームメンバーに好かれてるのは、当然だろう」
キ ラ「ちげーよ。色っぽい話だよ。カミカゼくんは、エンゼルに惚れてるね!」
番 犬「惚れてる?ナンバー2がエンゼルにか」
キ ラ「そう、だいたい惚れてるの意味、分かってんのお前?
    えっちしたいくらい、相手が好きって話だぜ」
番 犬「惚れると、セックスしたくなるということか?」
キ ラ「正解!そう思わない?」

番 犬「…さあな。好きだの惚れてるだのと、俺には不明慮な感情だ」
キ ラ「あんた、キールが好きで付き合ってるんじゃないの」
番 犬「契約だから付き合ってる。恋人のふりで、恋人じゃない。
    だいたい、お前がキールと付き合えと云ったんだろう」
キ ラ「あんた、恋人って意味、どんなだと思ってるの?」
番 犬「…恋人というのは、『愛しあう人間同士』のことだ」
キ ラ「へぇ〜。愛しあうって、どういうこと?」

番 犬「『大事に思い合う人間同士の感情』テキストにそう書いてあった」
キ ラ「あんた、大事に思う人っているの?」
番 犬「俺が大事だと思う人間と、愛というのは、まったく繋がらない。
    だから愛の意味は、まだ理解できていない。現在、学習中だ」
キ ラ「そうだろうね。お前に愛は、まだ難しすぎたよな」

番 犬「難しくはない。ただ、勉強中なだけだ。愛だっていずれ分かる」
キ ラ「お前って負けず嫌いだよな(-_-;)そういうとこ子供っぽいよ」
番 犬「子供じゃない。おまえは、どうなんだ。いるのか」
キ ラ「俺?…そうだなぁ。エンゼルとか、いいよな、マジで恋人にしてみようかな…」
番 犬「玩具じゃなくてだ」

キ ラ「それ云う?気の毒だろ、エンゼルが。玩具だなんて思ってないぜ?
    俺さまって案外、エンゼルのこと、愛してると思うんだ。マジで」
番 犬「本気だとは思えないな。またあいつの脆いとこを突いて遊ぶつもりだろう。
    エンゼルで遊ぶのはやめておけ。怒れば怒るほど、お前を楽しませてるのが、
    何度経験してもあいつには分かってない。単純トリ頭だ」
キ ラ「そう?お前が子供だから、わかんないじゃないの?そういう愛の形がさ」
番 犬「お前の本当の思い人は、バカ息子じゃないのか」

キ ラ「はぁ?!なんで?!一体何を根拠にそう思うんだ?」
番 犬「あの男を、お前は無視しすぎる。それは逆に気にしている証拠だ」
キ ラ「…高スキルを出すじゃん。なに?誰かに聞いたの?恋のレッスン1かよ。
    どうせラスに吹き込まれたんだろ。ラスの云うことは曲解だらけだぜ?」

番 犬「違う。…多少は、おっさんが言ったことだとしてもだ。
    以前ボスに、お前とバカ息子の間に何があったのかを聞いたとき、
    恋をしたことはあるかと聴かれた。そのときは関連性が分からなかったが、
    今思えば、恋というものが、何かしらお前と関係するということだ」
キ ラ「は、バカラの云うことなんか、もっと間に受けるなよ。気持ち悪い。
    あの人は、直情の感性でモノ云うんだから。関係ないね、そんなもの」
番 犬「お前とバカ息子に、何かあったのは、確かだ。
    だが何かは分からないし、俺がまだ知る必要はない」
キ ラ「永遠に知らなくていいよ」

番 犬「知る必要がきた場合、俺は知る」
キ ラ「どんな時さ。知るって断言は何なんだよ。傲慢な言い方だな。
    そんなの関係ないじゃん、お前に」
番 犬「今はな」

キ ラ「じゃ、…お前が俺の恋人になったら、どう?」
番 犬「いやだ」
キ ラ「即答かよ。いいもんね。だったら、エンゼルに恋人になって貰うさ」

番 犬「無理だ」
キ ラ「お前は返答に迷いがなくて、いいね。腹立ってきたな。何か甘いもの欲しい。
    ねぇ、チョコは持ってきた?今日はバレンタインデーで、
    好きな相手にチョコを渡す日なんだよ。知ってた?」
番 犬「知ってる。初めは、馬鹿にする相手に渡すものだと、思ってたがな。
    おまえが、エンゼルに渡していたからな」
キ ラ「ああ、そんなこともあったねぇ。そのバレンタインデーに、何でお前と
    同じ部屋にいなきゃなんないのかな…つまんねぇ。
    俺のエンゼルに会いたい〜!!たいくつーーー!!
    あ、そうだ、ラブラブ中のキールの部屋、覗こうか?」

番 犬「バカ息子が気になるのか、おまえ(ニヤリ)」


キ ラ「…てめぇ、なんか嫌な感じに育ってきたな。俺の教育が良くないのかな?
    やめた。やっぱ覗きは、エンゼルとカミカゼの部屋にするもんね〜!!
    二人の間に、ラブな過ちが起こってるかもしれないぜ〜(*^_^*)
    地獄で会おうぜ、Baby♪」



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