スモール・パラダイス

登場人物/エンゼル  テキーラ







「どうしたのじゃねぇよ!
 てめぇ なに素っ裸で歩いてんだよ ちゃんと犬を着て歩けっ!」

「エンゼル俺が素っ裸に見えんのかよ? やーらしいんだ♪」
「あのなぁっ!お前の番犬はどうしたよっ!」
「何だ番犬に会いたいなら キールとデートだと思うよ? エンゼル振られちゃったね」
「誰が犬に会いたいかっ お前は何で用心棒も連れないで
 うろうろしてんだって言ってんだよ!」
「俺は商談で来てんだよ ビジネスだよ」
「答えになってねぇだろが 犬は入店禁止だと言われたのかよ」

「そうだな 犬が入ると店のお客が凍りつくだろ
 部屋も汚れるし イヤなんだってさ ここお上品じゃん?」
「よくもあいつが承知したな」
「するわけないじゃん 俺のあと金魚の糞みたいにくっついてんのに
 でも俺 今アイツと喧嘩してんの だから黙って来たのさ」

「ケンカ?!番犬と?!あいつ怒ったりすんのか?つか できんのか?!」
「出来るわけないでしょ 怒るなんていう高等技術
 あ エンゼルは得意だよね 意外とテクニシャンなのかな?」
「誤魔化すなっ どういうことだっ!」
「もうポンポン怒鳴るなよ 注目されちゃうじゃん あんた目立つんだから異質で」
「…っと やべぇ ともかくだな …もう商談とやらは終ったのかよ
 てめぇ本当に幅広くやってんな 悪徳商売ばっかしてんじゃねぇぜ」
「ちゃんとしたビジネスもやってるよ俺は もう帰ろうと思って一服しようと思ったら
 あんたが怒鳴り込んできたんだ ものすげー迷惑なんだけど」

「じゃあ 送ってやる」
「…はい? もう一回言って? いま何て?」
「何度も言うかよ!!さっさと出ろ!家にぶち込んでやる!」
「ええぇっ!!エンゼルが?!俺を送る? どーゆーこと?!
 あっ アンタやっぱり俺に気が…」

「アホかっっ! 俺に会ったその帰り道に どっかでお前がヤラレタなんて
 噂が流れたら 夢見が悪りぃからだよ!」
「お人好しさんだなぁ 相変わらず バカどれくらい上につけたら
 エンゼル・フェイスの呼称として普通に通る?」
「なぁんだとぉぉぉ!」
「ところでよく入って来れたね? ここチーマーお断りなんだけど?」
「人脈ってやつだよっ 裏口から入ったんだ バカでも働く頭はあんだよ
 居心地わりぃから 早く出ろ しかし一般カフェって真昼間も健全そうだな」
「まぁ不健全なキミは相当浮いてるよね 何でこんなとこ来たの?」

「仕方ねぇだろ 彼女と映画に行くためだ」

「?」

3へ続く

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