海外ドラマ・スラッシュ グ/リ/ム
*・゜・*・*:.。. .。.:*・゜・*:.。. .。.:*・゜・*・*.。. .*・゜・*・*クリスマスの朝に

登場人物:ニック/モンロー
場所:モンローの家




ニック 「どこだ、モンロー? 帰ってないのか?」

モンロー「おかえり、ニック! こっちだ!
     居間でクリスマスツリーの飾り付けをしてるんだ。こっちへ来て手伝ってくれ」
ニック 「すごいな。このツリー、大きいな。おまえは好きだよな、こういう派手な感じ」
モンロー「そりゃそうさ! クリスマスだぜ。誰だって好きだろう? クリスマスは賑やかにしなくちゃな。
     なんだったら、クリスマスパーティだってしないと。他のヴェーゼンの皆も呼ぼうか。
     アイスビーバーのバドたちや、ロザリーも招待しよう。
     シュトーレンはもう仕込んであるし、レープクーヘンやプレッツヒェンを焼かなくっちゃな、忙しくなるぞ」
ニック 「お菓子ばかりだな」
モンロー「そうか、そうだよな。大丈夫。肉食のおまえさんにもちゃんとある。
     クリスマスチキンやニュルンベルガーソーセージを買ってきてやってもいいぞ。
     おれは肉は食べないけどな。作るのも、ちょっとダメだ」
ニック 「おれもいいよ。おまえの作るジャガイモのサラダとか豆のなんとかで我慢する」
モンロー「バカにしたな。おれの作る豆料理はどれも美味いはずだけどな。そうじゃない?」
ニック 「そうだな。どれも美味いよ」
モンロー「まぁ、ジュリエットほどじゃないけどな……おっと。スマン。悪かった、ニック」

ニック 「……いや。もう、なんともないよ。モンロー、気を遣わなくていい。
     本当は、このクリスマス仕様もおれの為なんだろう? ありがとうな。
     おまえは静かにクリスマスを過ごす派だよな。教会に行って、祈ってさ。
     神様に感謝をささげる、清く正しいブルットバッドだ」
モンロー「そういうのもいいが、騒がしいクリスマスだって大好きだぜ? まぁ、度によるけどな」

ニック 「おれは、焦り過ぎてたんだな……。
     アダリンドがジュリエットを狙って、どこか緊張の糸が切れたんだろう。
     おばさんの言うとおり、別れていればこんなことにはならなかった。
     後悔してる。結局ジュリエットを怖がらせてしまっただけだった。
     おまえにも、彼女にブルットバッドの姿を見せてくれなんて無理を言ったよな。
     モンロー、あの時はすまなかったな。おまえまで変態扱いされた」
モンロー「変態はないと思うけどな」
ニック 「ああ、変人かな」

モンロー「変人なのには慣れてるよ。おれは変人のエキスパートだからな。
     別にもう、済んだことはいいじゃないか。これで良かったんだよ。
     まぁ宿敵同士のおれたちが、一つ屋根の下、一緒に住んでるってのもなんだか変だけど」
ニック 「ああ。いつまでも居候ってわけにもいかないしな。部屋をどこか借りるよ。
     ハンクの家に泊まってもいいんだけど……」
モンロー「でも、おれの家に来た」

ニック 「そうだ。どうしてかな。安心する。立場的には、おかしな感じだよな。敵同士だ」
モンロー「今さら敵はないだろう。親友だからかな。いや、おれはそうは思ってないけどな」
ニック 「親友だと思ってくれてないのか? 酷いな。おれたちはもう親友だろう?」

モンロー「親友、でもいいけど。でも、その、だな。
     他の名前があっても、いいかなと思っていないこともないがな」
ニック 「他の? それってなんだよ? 変なやつだな」
モンロー「……ちょっと待ってくれ。ニック。忘れたのか、もしかして?」

ニック 「忘れた? 何をだ?」
モンロー「もしかして、あのセリフを覚えてない?」
ニック 「だから、何を?」

モンロー「参ったな……。そうか、マジか。そうなのか。そうかもな。ああ、そうだきっと」
ニック 「なんだよ、ひとりで完結するなよ? どうしたんだ。
     おれは何か忘れてるのか? 大事なこと? 思い出すから教えてくれ」
モンロー「いや、もういいんだ。たいしたことじゃない。忘れてくれたらいい。
      勘違いなんだ。すまなかった」

ニック 「気になるだろう。言えよ。言ってくれ。おれは何を覚えてない?」
モンロー「いいんだ、気にするな。そうだ、クリスマスツリーにオーナメントを飾ろう。
     こいつは結構、手間だからな。おれの故郷では、願い事を書いた紙を靴下に入れて、
     ツリーに飾っておくんだ」
ニック 「それは全国的にそうだろ。靴下をツリーに飾るかどうかは知らないけど。
     靴下の中に願いを書いておけば、サンタさんが望みのものをプレゼントしてくれる」
モンロー「そうか。そうかもな。おまえは子供のころ、何を願いごとしたんだ? ニック」
ニック 「……そうだな。母さんと父さんに会わせてくれますように。……だった気がするな」
モンロー「ニック……。ああ、そうか。そうだった。なんてバカなんだ、おれは。
     すまん、ことごとくおれって奴は鈍感だよな。まったく自分で呆れる。許してくれ」

ニック 「ってのは嘘だよ。妙な隠し事をするからお返しだ。
     そんな殊勝じゃない。野球のグローブって書いたさ。おまえは? モンロー」
モンロー「なんだよ、ドキッとさせるなよ。感じ悪いぞ、おまえ。
     おれのは、ちょっと言えない」
ニック 「言えないような、ことなのか?」
モンロー「別に悪いことじゃないぞ。まぁ、ちょっとはマズイかも。つまり、ちょっと気まずい」
ニック 「何で? いいよ、言えよ? まさかあれか?
     おれの身体のあの部分がブルットバッドに効くっていう……」

モンロー「違う、違うよ。わかった。じゃあ、そのツリーの靴下の中に回答を入れておくから、
     クリスマスの朝に見てくれ」
ニック 「それはおれにプレゼントしろってこと? じゃあ、前日までには見ないと困る。
     買いにいけないだろ。あの靴下? もう入ってる?」
モンロー「いいんだ。朝でも十分用意はできるんだ」
ニック 「望みのものじゃなくても文句いうなよ。クリスマス当日なんて、何も売ってない」
モンロー「大丈夫。買わなくてもいいものだ」

ニック 「そうか。じゃあ、おれも願い事を書いて吊るしておこう。25日の朝に見てくれ」

モンロー「なんだって。それはダメだ。サンタが用意するにはもっと時間が必要だ。
     一週間前には見ておかなきゃダメなんだ。うちに来るサンタは用意周到だからな。
     クリスマス前は過密スケジュールだ。トナカイタクシーの予約が最も難しい」
ニック 「なんだよ、自分だって困るんじゃないか(笑)」

モンロー「……ニック。良かった。笑ってくれて嬉しいよ。
     靴下には【ニックの笑顔】と書こうと思ったけど、もう必要ないかもな。
     おっと、ちょっとキザだったかな?」
ニック 「モンロー。そんなにおれは難しい顏をしていたか?
     心配させて悪かったよ……。でももう、本当に平気だから。
     いつでも笑える。ホラ、な? 大丈夫だ。とにかく、おまえといると、笑えるよ」
モンロー「なんだか笑えるって言われると、ちょっと微妙な感じだ」
ニック 「でも笑えるんだから、しょうがない。爆笑ピエロかモンローかって感じだろ」

モンロー「この野郎、言ったな!!
     ビックリして腰を抜かすようなものをプレゼントしてやるからな!」

ニック 「わ。やめろよ、モンロー、野生に戻ってじゃれるなよ、重いって!
     犬じゃないんだから! 良い大人だろ、モンロー! ふざけ過ぎだって。
     待てよ、ブルットバットに変身してるぞ? やり過ぎだ、モンロー、
     ちょっと待てって、おれを喰う気か?! モンロー!! よせよ!!」

モンロー「スマン……勢い良すぎて、制御が外れてしまった。悪い……すぐ、戻るから……。
     だから、ちょっと上から降りてくれないか。もう押さえつけなくても大丈夫だから。
     この態勢はかなり気まずい……それにちょっと顏が近いぞ、ニック……」
ニック 「本気で食うなら、人の姿の時にしてくれないか……モンロー」

モンロー「え。……なぁ、ニック。唇が、その、……おまえさんの唇が凄く近いんだけど。
     気まずいを超えてる。それにちょっと、これじゃ、まるで――――」
ニック 「キスしようとする恋人同志以外には、ありえない距離、か?」
モンロー「そ、そうとも言うかも。ちょっとこのままだと、俺はボーガが効かない」

ニック 「腰を抜かすようなものなら、今、欲しい。
     モンロー……忘れたなんて、嘘だ。本当はちゃんと覚えてるよ」


モンロー「―――え、ちょ、ニッ――― ニック…… 」















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