電脳タブロイド
チェリーブロッサムの復讐

04
登場人物:番 犬/エンゼル

場所:バーチャルーム:M4444真紅の城専用・桜パーティ会場



番 犬 「エンゼル」

エンゼル「う、うわっ、地獄の番犬が出てきた!?」
番 犬 「花見は楽しんでるか」
エンゼル「……おまえ。正気か? 花見だと?」

番 犬 「花見だろ。前にリアルの花見を、ボスが植物園でやった。
     オンラインならもっと凝った桜の風景が見れると思ったが、特にセンスの良い場所はないようだ」
エンゼル「ケッ。おっかねぇ顔しやがって地獄の犬が、花見とか言うなよ」
番 犬 「おまえが笑うと恐いと言うからだろう。お望みなら嗤ってやろうか」

エンゼル「いいよ、ぜんぜんお望みじゃねぇや。より凶悪になるからヤメロ。
     けどなんでお前が、オンラインパーティにいるんだ?
     キラのお守りは、オフラインリアルだけだろ。キラのヤツが参加してるのか?」
番 犬 「今日は休暇中だ。自由意思で、花見パーティに参加してる」
エンゼル「へぇ? お前がこんなパーティに興味があったとは、意外だな」
番 犬 「俺じゃない。キールがピンクを探すゲームに参加したいと言うから、付き合っただけだ」
エンゼル「お前もかよ。どんだけヒマなんだよ。つーか、お優しいことだな」

番 犬 「退屈は常にしてるな。このパーティにウイルスが混入してるんだろ?
     有名掲示板じゃ今、一番クールな話題だ。多少は面白そうだと思ってな。
     名だたるチームが参加表明して、大変な騒ぎだぜ。ピンクの中で、ピンクの毒を探せ、だ」
エンゼル「誰がいったい、広めたんだろうな……。ウイルスがピンクの髪の女だって」
番 犬 「MM会の幹部が出所というのが、信憑性を高めてるそうだ。キール曰くな。
     だがリーク元はダークFの新人で、そのリークを利用したMM会幹部の策略だという説もある。
     話がややこしい。とにかく色んな説がある。真実は謎だ」
エンゼル「ちッ、出所はモヒートのヤツか……。あの野郎。口の軽いヤツだ」

番 犬 「エンゼル、リーク元を知ってるのか。
     その噂が出回って、ウイルス・デザイナーはもう素材を変えたって話もあるぜ」
エンゼル「じゃあなんで、まだ皆してピンクを探してるんだよ? もう違うものかもしれねぇだろ?」
番 犬 「変えたものが何か解らないうちは、連中はピンクを探すしかねぇからだろ」
エンゼル「ドツボだな。ちなみにそのデザイナーは、キラじゃねぇよな?」

番 犬 「違うだろうな。キラは今、期末の仕事で精神状態ギリギリだ。缶詰で暇な時間は一秒もない。
     おっさんの監視の元、今も監禁中だ。ラインは全部切断中だからここへの参加も出来ない」
エンゼル「なるほどな。だからお前は休暇か。良かったな。パーティのお守りも無くて」
番 犬 「まぁな。キールと、花見の約束が実行できた」
エンゼル「そっかよ。悪魔も花見祭りを楽しむか……いいな、ラブラブかよ」

番 犬 「お前はいつも通り、ひとり身だな。ナンパはどうした。ウイルスが恐いか?」
エンゼル「バカ野郎。関係ねェよ! ……といいたいとこだが、俺が狙われてると警告された以上、
     なんとなく、ビビるよなぁ。動けねェんだよ。情けねェ話だがな」
番 犬 「お前が狙われてるのか。それは初耳だ」

エンゼル「なんだ、しらねえのか? 漏れてても良さそうな情報だけどな。ネットの不思議だな。
     MM会幹部は俺に、ピンク頭の女に気をつけろと言ったんだよ。そこにモヒートもいたんだ」
番 犬 「そうなのか。なら、大事なヒントは、お前が持っていそうだな。
     何かないのか。心当たり、というものに」
エンゼル「お前から心当たりはないのかと聴かれるなんざ、かなりハラタツ状況だよな。
     そんなもんあったら、謎はもう解読されてるってんだよ、ボケ!!」
番 犬 「思い出せ。言うまで離れないぜ」

エンゼル「はぁ?! 何の脅しだよ!! 何でそんなに、お前が必死なんだよ?
     ゲームをしてるのは、キールだろ? キールに良い顏してぇのかよ」
番 犬 「さっき、俺もドボンワード表にエントリーした。
     有名ゲーム会社がスポンサー表明してきたんだ。
     賞品は『ウサギ狩りゲーム』の年間パスだ。絶対、欲しい」
エンゼル「お前も参戦してんのかよ。なんだよ、そのゲーム。発症ワードまで募集中なのかよ。
     …………その兎って、当然、動物のうさぎちゃん、なんだよな?」
番 犬 「決まってる。もちろん人間のウサギちゃんだ。(嗤)ここのメーカーは残虐で人気だ。
     興奮するシーンが満載だ。さぁ、考えろ。鳥あたまをフル回転させろ。
     絶対にお前は何か知ってる筈だ。俺は年間パスを手に入れる」
エンゼル「眩暈、してきた。ピンク髪の女が、救いの女神に想えて来たなぁ……。
     兎追いし地獄の番犬に付きまとわれることこそ、実のウイルス感染じゃねぇのかな?」

番 犬 「俺はウイルスじゃねぇ」





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