ハロウィン・ナイト


「吉沢 ハロウィンパーティって参加したことあるか?」

「ああ? 事務所主催の仮装パーティみたいなものは 出てた記憶はあるな」

「絶対 いつも吸血鬼か狼男の仮装だろう」

「何故 わかった そうだな吸血鬼が多かったかな」

「女どもが騒ぎそうなモンスターキャラだからな」

「そう 俺に血を吸われたい美女の行列ができて 面白かったな」

「片っ端からキスしていってたろ お前」

「…何故 知ってる 首に噛み付こうとしたら 逆に唇を奪われたんだ
 仕方なく以降はそれで対応だ みんな酔ってたからな」

「あの頃のお前って そういうの案外お好きなご様子で お目立ちになってたからな
 同じ事務所だから嫌でも 偶然見掛けたんだよ
 お前は男の姿なんか 全然気がつかなかっただろうけどな」

「列に並べばよかったのに?」

「…そういう奴だよ お前…」

「でも 仲尾が事務所のに参加してたとは 知らなかったな」

「そうだな 毎年他のに行ってたからな ま 誘われて偶然一回だけだ」

「お前関係のハロウィン・パーティじゃ シャレにならんことしてそうだな」

「…まぁな 摘発スレスレ?だったかな」

「面白かったか?」

「面白かったな 絶好調の時期だったからな 最高」

「そりゃ良かった パーティはつまらないと意味がない
 俺も面倒くさいなりに 付き合いで出れば 楽しかったしな」

「そりゃ楽しそうでしたよダンナはね まったくホントに
 俺は事務所のが一番つまらなかったぜ お前のグループがやたらと
 騒いでて 他の奴等は羨ましげだったし こっちは 気後れだ」

「だから並べばよかったんだ お前が並べば相当盛り上がったぜ
 首に噛み付いてやったのに そしたらもう少し早くお前を意識したかもな?」

「冗談じゃねぇ お前が男なんか意識するもんか 絶対」

「…絶対? そうか? ホントに?」

「…バカ 肩の後で喋んなよ なんか変な気になる 嫌なんだって」

「ここ弱いもんな お前 吸血鬼に噛まれたら 好くって倒れるか暴れるかどっちかな?
 そいうや吸血鬼でホモの話ってのは 結構多いな」

「暴れて欲しいか ……くすぐったいんだ よせったらバカ …ッ吉沢!」

「吸血鬼が 首筋を噛むのは 性的な意味合いもあるんだぜ」

「…このエロキュラめ」

「俺の吸血鬼の仮装はどうだった? カッコ良かったろう」

「自分で言うか …ああお似合いでしたよ すごくな 不本意ながら
 俺の男は 女に囲まれてる時が 一番カッコよくて幸せそうでしたから」

「仮装するとな ちょっと気分が高揚するんだな
 美女の首筋と唇に接吻する 興奮で飢えた吸血鬼になりきってたから
 どうせムカついて出てったんだろ お前 想像に難しくないなァ…本当に
 でも今や お前の男は ここにいる方が幸せそうだぜ」

「うるせぇ 一言多いんだよ てめぇニヤニヤすんな ちゃんとヤレ」

「お前が話かけてきたんじゃないか こういう ときに、な」

「…思い出したんだ 今夜ハロウィンだったなって…」

「首筋 噛まれて? やけにマニアックな発想力だな」

「こういう夜は 何か… そんな気しねぇかよ」

「オカルト趣向があるとは意外だ 悪魔召喚とかやってみるか?」

「そんな趣味ねぇよ 云ってみただけ!」

「ふうん ま 年中ここには 魔物が棲んでるからな 集まりやすいかもな」


「…それは吉沢 お前のことだよな? エロ魔人」



「 さぁ どっちかな 仁 」





















秋の夜はまだ長い…



悪戯かお菓子か?(答え両方)
悶え死にそうに極寒いセリフとベタ甘さで お腹を壊さぬように…
相変わらずで失礼。今年のハロウイン企画はこれにて成敗!
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