☆銀/魂パロディ

偶然が何度も続くと必然なのかもしれない


登場人物:銀時/土方
場所:街中 屋根上と路上

銀時「おーい おーぐしくんじゃねぇか? まァた 会ったちまったなァ」


土方「…上からモノ言うんじゃねぇ ブッた斬るぞ てめぇ」

銀時「おいおい 物騒なこと言うなよ 何テレてんのォ?」
土方「照れてネェェェェェ! 何してやがんだ! 屋根の上なんかで堂々コソ泥か 覗きか
    署までしょっ引いてやろうか?手錠掛けてやろうかァァァァァ!」
銀時「なにィ? いきなりデートのお誘いィ? 悪いけど銀さんまだ大工仕事なんだわ
    もう少ししたら終るから ちょ待ってて そうだ こっち上がってこいよ」
土方「はァ?! なんでおれがそっちに行かなきゃなんねぇんだ おめーが降りてこいや」
銀時「上の方が景色良いんだよ いいから 上がって来いって」
土方「やなこった なんでおれが おめーが降りてこい」
銀時「なにこれ命令プレイ? なんだいイイモン見せてやろうと思ったのによぅ」
土方「覗きの趣味なんかねぇな」
銀時「なんで覗きィ?!こっからおねーちゃんの着替え姿でも見えるって言うのォ?!
    おれは真面目に大工のお仕事してんだよ 汗水垂らして頑張ってるんだよ銀さんんん!」
土方「垂らしてんのは 涎か鼻血の間違いなんじゃないのか」
銀時「おま 機嫌いつも悪いのな…副長さんは非番ですかね 今日は着流しなんだな」
土方「おまえに答える気は無いな どうだっていいだろ」
銀時「あーそーですか ちょっといい情報があったんだけど じゃあいいやもう サイナラ
    大きくなった金魚によろしくね 大串くん あれいつ放流するの」
土方「金魚なんか飼ってねぇわ!ちょい待てや 情報?聞き捨てならねぇな 攘夷志士のことか」
銀時「べーつにィィ おまえに答える気はありませんんんー」

土方「…ちッ 待ってろ そこまで行って無理やりにでも喋ってもらうからな」
銀時「いやぁん 無理やりだって♪ 副長サン やらしいィィィ〜」
土方「うぜーーー!!」


銀時「よォ いらっしゃい 足元に気をつけてな 道具箱とか転がってるから」
土方「うるせぇ おれを誰だと思ってる …おい 触んなよッ!」
銀時「あいたたたたた! 髪!天パ引っ張らないでぇッ ちょ 暴れるなってェェ!もぉ!」
土方「おまえ 変なとこ触んなよ!どういうつもりだ この変態野郎!」
銀時「変なとこって なんだよォ? おまえがこんなとこで暴れるからだろうが
    人のこと痴漢みたいに言うのやめてくんない?! ホモのエロオヤジみたいに言うのやめてくんない?
    おれは危ないから 身体支えようとしてやっただけだろが」
土方「支えられる必要なんかねぇんだよ おれは高いとこなんか ぜんぜん平気なんだよ」
銀時「そうだったな 二度目に会ったとき 屋根上で喧嘩おっぱじめやがったんだっけな」
土方「そうだ そういやあんときのケリは まだついてなかったよなァ 今からやるか 真剣勝負だ」
銀時「あー やめとくわ 今日もう大工の仕事で疲れちゃったから もう元気ないから
    バリバリおめーを鳴かすテクも もう銀さん残ってないから 今度にして ね」
土方「なんか変な言い回しすんなァァァ! やっぱ変態なんじゃねぇか!」
銀時「嘘だよ ちょとしたジョークだろうがァ? 誤解しても貰っちゃ困るよね
    土方くんこそ なに? なんか銀さんのこと 意識しすぎじゃないのォ? ん?」
土方「…バカか 何言ってやがる よし じゃあ その情報ってのを 聞こうか」

銀時「なんの情報? 美味しいデパ地下甘味情報? や もう夏スイーツといえばさぁ…」
土方「違うわァァァァァ!! だれがデパ地下の夏スイーツ情報なんか聞いてるかァァァ!」
銀時「ねぇよ」
土方「な 騙したのか てめぇ」
銀時「や 騙したっていうか… あんな単純な嘘で騙されるとは思わなかったっていうか」
土方「てめーを詐欺罪で逮捕する 来いや コラァ」
銀時「オィィィィィ!! それはちょっと無理があるんじゃないのォ?!チンピラ警察炸裂ゥゥゥゥ?!」

土方「ちッ …屋根にまで上がらせて いったいなんの用なんだよ」
銀時「うん? 別に用はないけど ここから見える夕焼けがね キレイでな」
土方「はっ 夕焼けェ?」
銀時「そう 夕焼け 胸焼けでも日焼けでもオーブン焼きでもホットケーキでもねぇよ」
土方「分かってるわ 半分もう違うもんになっとるだろうが …この間の嫌がらせかよ」
銀時「嫌がらせで夕焼け見せるほど暇じゃねぇわ 言うんだったら お礼だろーが」
土方「礼だァ? だれが」
銀時「次はおれが 奢るって言っただろ」
土方「ここで酒盛りでもやる気か 酔狂な野郎だな」
銀時「いや 酒はねぇよ 夕焼けみたら 気分良くなんだろ」
土方「なるかよ 単に夕日が雲に映って紅いだけじゃねぇか だだの自然現象だ」
銀時「夕暮れ時だ 沈みゆく太陽が夜になる前に 最後の燃え尽きみてぇだろ
    なんか健気じゃねぇかよォ 夕日はいいよなァ 今日が終って また明日が来る」

土方「・・・確かに 綺麗だがな」
銀時「おうさ 屋根の上で見んのと 丘の上から見んのが最高イイんだよォ」

土方「おまえは―――」

銀時「ん? なに?」
土方「おまえは 何者だ?」
銀時「銀さんは銀さんだよ 万事屋銀ちゃんをやってる何でも屋だよ 何を今更いってんだァ?
    いきなりおまわりさん職質プレイですかァ? それどんな展開?」
土方「そうだ 職質だ 以前は 何をやってた 坂田銀時 答えろ」

銀時「…何って 何だっけなァ? 八百屋のオヤジか 甘味処の主人だったかな?
    最近記憶が長期リフレッシュ休暇でなァ 今朝食べたもんも忘れちまっうんだわ
    三時のおやつとデザートは覚えてるんだけどよォ 歳は取りたくねぇよなァ」
土方「誤魔化す気か …まぁいい おまえは何者なんだ 何を企んでる」

銀時「なんだ 銀さんに興味あんの? おれは何にもねぇよ 中身空っぽだよ?
    金欠だしよォ 仕事ねぇしよォ 天パだしよォ 彼女もいねぇしよォ 虚ろでやる気ねぇんだよォ
    半閉じの目にゃ 生気はねぇし 夕焼け見れば 夕日が映るし
    蛍をみれば ぼんやりした光が映るだけだよ?」
土方「…空っぽのやつは そんな眼はしねぇ 時々…井戸のような…深さだろ」
銀時「陰気で暗い目ェってことォ?わるぅございましたね いいんだよ いざってときに煌くから」

土方「ただ 深けぇ暗い何かの淵に うっかり引きずり込まれるような感じがする …ヤベェ」
銀時「ヤバイ? それどんな意味?」

土方「あ? 別におれはヤバイなんて 言ってねぇよ」
銀時「言ったよ 今 言ったじゃん 幻聴ォ?それとも5秒前に言ったこと忘れる病気ィ?」
土方「…幻聴だよ うるせぇな 帰る」

銀時「もう帰るのか? ここで沈み行く夕日を見ながら 夏の日に銀さんと想い出作りしねぇ?」
土方「なんでおまえと 思い出作りしなきゃなんねぇんだよ キモイだろーが」
銀時「や なんていうかさ おまえって なんか 気になるんだよ なんでかな」
土方「ばっ てめ気持ちわりぃこと言うんじゃねェよ!なんだよ 気になるって!ふざけんなァ?!」
銀時「気持ち悪いか?そりゃ悪いよな そうだよな 無いよな これはナイよな? ナイナイ」
土方「ねぇェェェェェよ!あるわけネェよォォォォ!!」
銀時「ちょ 落ち着けよ なんかおまえも 動揺してるみたいじゃねぇか 顔赤いよ?」
土方「どどどどうようなんか してねぇよ しねぇよ!するわけねぇだろがァァァ
    夕日だよ  そそそうだ 夕日が映って赤く見えんだよっ!!!」

銀時「…いや おれが引くくらい大きく動揺してるよ 大丈夫?大串くん」
土方「だァれが おおぐしだッ」
銀時「なんだかなァ そうだな 帰れよ 帰れ おまえは帰って もうおれの前 現れんな」
土方「言われなくても 帰るわァ! おまえこそおれの前に二度と現れんなや ああ?
    じゃあな ジャマしたな!二度と声かけんな クソ天パ!」

銀時「…土方ァ」

土方「うるせぇ! 上から呼ぶな!」
銀時「あのよ おまえに坂田…銀時って 名前呼ばれたとき ちょっと ・・・キタ」
土方「・・・・・何がだ 何が来たんだ 天人か サンタクロースか 月のモノか」

銀時「なんか ヤバイもん」
土方「なら便所で流しとけ おれはしらん」

銀時「おーい まーた 会えるよなァー?」
土方「アホか 会わねぇよ もう」
銀時「いや 会うよ なぁ トッシー 会おうよ」
土方「トッシーいうなァァ!!今度声かけたら たたっ斬るからなァァァァ!
     くっそ 時間のロスだ」


銀時「・・・なにあれ なんか可愛いんだけど あいつ
    って 何これ あれ ちょ おれ…ちょっと おかしくね?」


2に続く