電脳タブロイド
*・゜・*・*:.。. .。.:*・゜・*:.。. .。.:*・゜・*・*.。. .*・゜・*・*悪魔の遊戯

03


登場人物:キラ/ラス
場所:ラスティの寝室




キ ラ「……ねぇ、ラス。発作は治った?
    犬とはすでに寝たんだろ? だったらもう、こういうの犬とやれば。
    犬の愛なきプレイで十分、屈辱だろ。俺、このゲームをやるとハンパなく疲れるんだけど」

ラ ス「悪いな、キラ。だがお前ほどの適任者はいないからな。
    番犬は突っ込む以外のセックスのやり方を知らない。番犬のはプレイとは言わないよ。
    あれは狩りの本能だ。ワイルドなだけで、キラのように才能があるわけじゃないからな」
キ ラ「じゃあ、センセイが教えてやれよ。フェチックでマニアックなプレイをさ。
    あいつ意外と頭がいいから、すぐ覚えるよ」

ラ ス「プレイセンスは、教えてどうなるものじゃないからな。
    番犬はまだ性においては未知数だが、こういう才能はないだろう。
    それに若いからじきに普通のやり方を覚えるようになる。キールが教えるだろう」
キ ラ「でもさぁ。あんたはフェッチ―もいい加減やめないと、体持たないよ、ラス。
    俺だって性格変わりそう。俺はまだいいけど、幽霊どもにあんたは自分を殴らせたりするだろ。
    血を見て興奮するのは、いくら何でもやり過ぎだよ。上品な俺にはついていけない。
    あれは良くないよ。いつか幽霊がエスカレートして、あんたを殺しかねないぜ」
ラ ス「キラは優しいな。おれの性的欲望は、リスクを伴うんだ。しょうがない」

キ ラ「んだよ……。バカラとする時は普通なんだろ。それで満足しとけよ。
    俺が優しいのはラスだけにだよ。あんたが望むから、こんなこともやってる。
    俺だって普通にあんたが抱きたい。どうしてか考えたことあるのかよ」
ラ ス「キラ。おまえは似てるよ……おれの―――」
キ ラ「愛しのレオに、だろ。聞き飽きたよ。そんなん云われて嬉しい男いないでショ」

ラ ス「似てるのは、レオと俺にだ。本当に好きな男と一緒になれないとこまで似てる」
キ ラ「ナニいってんの。本当に好きな男って? 俺にそんなの、いないよ。
    ねぇ、ところでいつ次のメリッサメールの話をしてくれんのさ。そういう約束だろ。
    この変態プレイと引き換えだぜ。暗殺者ガッジョディーロと、メリッサの関係って?」
ラ ス「そう焦るなよ。そのうちしてやる。もう、眠るよ。疲れた。今日はありがとうな、キラ。
    おまえが居てくれて良かったよ……最悪にならなくて済んだ」

キ ラ「俺は最悪だったけどね。済んだらハイ、サヨナラってかよ。
    ちぇ……。報酬がないならウイルスの解毒プログラムは貰って帰るぜ?
    ほんとう、ヒドイよなラス先生って。欲望のためになら何でもするよね。悪魔だよね。
    俺だって悪戯っ子だけど、顧客は大事にしてるのよ。ビジネスと遊びは別なんだから」
ラ ス「ああ。好きにしろ。悪魔はお前の呼称だろ。おやすみ。
    寒いから、あったかくして帰れよ。風邪をひくな。もうじきクリスマスだ。
    ああ、番犬を呼んでから家に帰るんだぞ、ひとりで帰るなよ? いいな?」

キ ラ「なんだよ、犬は自分が追い払ったくせに。
    ……ラス? マジでもう寝たの?
    もう、本当に自分勝手なんだからな。しょうがない先生だよな。
    俺をさんざん自分の欲望に使っといて、今さら保護者ヅラすんなよなァ……。
    なぁ、レオなんかホントに忘れろよ……ラス。遥か昔に死んだ男なんだぜ?
    俺は何なのさ。あんたさ、本当に信じてないだろ―――」








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