監視カメラ作動中



CELLAR ROOM
■テキーラ&エンゼル■

登場人物:キラ/エンゼル
場所:不気味な洋館(Fの館) 地下貯蔵室



キ ラ  「…エンゼル?」

エンゼル「Σ( ̄□ ̄)!…げぇッ!?キラ?!
      びびびびび、び、ビックリさせンなよ!!何やってやがる!
      そんなとこに隠れてたら、心臓止まるだろうがァッ!!」
キ ラ  「隠れてないけど別に。ワインでも盗みに来たの?」
エンゼル「んなもん、盗むかよ。…お前、なんでこんなとこ居るんだよ」
キ ラ  「俺は退屈でイライラするから、ただタバコ吸いに来ただけ。
      番犬がイチイチ付きまとうからさ、逃げてきたのさ」
エンゼル「てめぇの用心棒をまいてどうすんだ、お前。あとで痛い目みるぜ。
      つーか、お前まだ吸ってんのかタバコ。やめとけよ、似合わねぇぜ」

キ ラ  「…あんたは?こんなとこに何の用?」

エンゼル「え、俺か?おれは、…た、煙草だ」
キ ラ  「部屋で吸えばいいじゃん。カミカゼくんは、禁煙派?」
エンゼル「ああ、カミカゼは、あんまり吸わんな。だ、だから悪いと思ってな」
キ ラ  「へぇ。タバコ持って来てないみたいだけど、俺の吸う?ドウゾ」
エンゼル「おう、悪いな。うっかりしてた」

キ ラ  「エンゼルヘッドは、やっぱナンバー2には優しいんだね。
      カミカゼくんは、あんたにとって特別なんだ?」
エンゼル「別にヤツだけが特別じゃねぇよ。メンバーはみんな、同じで特別だ…。
      なんだよ。気持ち悪ィな。お前にだって、特別はいるんだろ」
キ ラ  「俺の特別?そうだなぁ。俺の特別は、エンゼルかなぁ。
      ねぇ、俺にももっと、優しくしてくれたらいいのに…最近、冷たいよね、エンゼル。
      もしかして冷たくなったの、あの夜…以来じゃない?
      あの、ハロウインナイトのさぁ…」

エンゼル「ギャー!!
      わわわ、な、な、な、何云ってんだおまえ、き、気持ち悪ィこと云うなァ!!
      お前なんかに、親切にしてたことねぇだろ!おれが!
      現在過去未来進行形で、お前なんぞ、不親切に冷たくしてるわァ!!」
キ ラ  「シィー。
      …あまり大声出さないでくれよ。皆が起きるだろ。逢引は静かにしないとね」
エンゼル「あ。すまん。いや、お前のせいだろが…って逢引じゃねぇし!」 
キ ラ  「何でカミカゼくんには優しくして、俺には優しくしてくんないワケ?」
エンゼル「バッ…何でじゃねぇよ。俺に対するお前の数々の悪事を忘れたってのかよ。
      だいたいな、あの時だって、その…あのハロウィンのことだけどな、
      あ、アレが、ホントかどうか、実際は、分かったもんじゃねぇんだよ。
      どうせ、お前の仕掛けた幻覚作用かなんかだろ?!嫌がらせだろ?!」
キ ラ  「嫌がらせだと思ってたの?違うって、俺の愛のしるしだって♪」
エンゼル「お前の愛は悪意しかねぇんだよ、人の許容範囲を超えてるつうんだよ!
      そんな歪んだ愛なんか、誰も必要としてねぇんだよッ」
キ ラ  「ふうん…。あ、そ。 (-。-)y-゜゜゜」

エンゼル「…?(゜゜)?
      (…ンだァ?なんか今日は切れ味が悪いなコイツ…)」

キ ラ  「あのさ、悪いけど、アンタはどこか他のとこで、吸ってくんない?」
エンゼル「!あ、ああ、勿論、そうするつもりだ。
      お前とこんなとこで、顔突き合わせてられっかよ。冗談じゃねぇよ」

キ ラ  「帰るとき番犬に、俺がここに居るって、云っといてよ」
エンゼル「…犬から逃げてたんじゃねぇのかよ」
キ ラ  「そうだよ。でも、ここも退屈じゃん。逢引もないし。
      こんなに寒いのに、エンゼルは抱きしめてもくれないし。
      どこに居たって退屈で寒いなら、番犬とベッドで寝てた方がマシかと思ってさ」
エンゼル「…寝る?お前ら一緒に寝てんのか。フ…、まだまだガキだな( ̄ー ̄)」
キ ラ  「バカじゃないの、おまえ。
      寝るって、ファックのことに決まってんじゃん。
      アレがおてて繋いで、おねんねしてるケダモノかよ?」

エンゼル「あ?番犬と、お前が、か?」
キ ラ  「そう。番犬と俺。寝てないと思ってた?最近さ、キールに貸してるけど、
      俺と居る方が断然長いんだから、当然そうなるのは、自然の流れだろ?」
エンゼル「番犬がお前となんか、信じられんな。また俺を騙そうってんだろ」
キ ラ  「そんなこと騙して何の得があんの、俺に?」

エンゼル「いや、それはそうだが…。
      番犬が見境無く飢えてるってアピールをしたいのかと…」
キ ラ  「はぁ?どういう意味だよそれ。俺さまにずいぶん失礼じゃん?
      そういうアンタだってさ、相当飢えてるんじゃん。人のこと言えないだろ」
エンゼル「ど、どういう意味だよ。お、俺は、ケダモノじゃねえし女の子には紳士だぞ…何を根拠に…」
キ ラ  「そう?ま、そう云うなら、それでもいいよ。まぁ、確かに紳士すぎるくらい紳士だったよ。
      じゃあね、エンゼル。さっさと消えな」
エンゼル「ああ?なんのことだか、意味わかんねぇんだよ?うるせぇよ、お前こそ消えろ。
      云われなくても、出て行くっつーんだよ!」
キ ラ  「バイバイ。カミカゼくんにヨロシクね。彼も招待して良かったよ。
      早く帰って、二人で仲良くおてて繋いで、いちゃいちゃ寝てればいいじゃん」

エンゼル「いちいち、うるせーよ!カミカゼはただのダチだ!あいつを侮辱すんな!
      おい、お前もそんな薄着でいつまでも居るなよ、風邪ひくぜ。
      ワインと一緒に冷えちまうだろが。さっさと部屋に戻れ」
キ ラ  「―――。アンタはさ、ただみんなに優しいヤツに、なりたいだけなの?
      ボランティア精神道ってやつ?じゃ、お優しいお気遣いありがとう、気をつけるよ。
      俺が風邪ひこうが凍死しようが、お前に関係ねぇんだよ、偽善者が」

エンゼル「なんだとぉ?!おい、てめぇ、さっきからいったい何だよ?
      こっちは招待して貰ってる手前、遣いたくもない気を遣えば、文句云いたい放題かよ。
      しかも嫌味の切り口が、ぜんぜん中途半端なんだよ?!あぁ?!
      いつものお前の毒舌は、こんなもんじゃねぇだろが。イラつく物言いしてんじゃねぇよ。
      歯にモノが挟まったような、まどろっこしい云い方しやがって、ふざけんな!
      何か云いたいことがあるなら、はっきり云いやがれ、クソガキ!」

キ ラ  「あのなァ、すぐキレれば解決すると思うなよ、エンゼル・フェイス?
      俺に勝てる勝算もないくせに吠えるな、負け犬が。てめぇ、最近、馴れ馴れしいぜ。
      おれ様に向かって、頭が高いんだよ、下等庶民が。
      お前だって、変だろが?ぜんぜん俺に対する態度が、おかしいだろ。
      何が風邪ひくぜ、だよ。そんなの、ひいた方がザマミロに決まってんじゃん。
      なに社交辞令みたいなこと言ってんだよ、放っておけよ!気持ち悪いんだよ!」
エンゼル「そうかよ、社交辞令云ってキレられるとはな。てめぇはもう少し大人になれよ、キラ」
キ ラ  「それはこっちのセリフだぜ!以前なら、そんな物言いしなかっただろうが?
      なんのつもりだ!?あんた、俺の何?!なんなの?!
      何で、あれだけコケにされても壊れない?!何故、普通にできる?!
      触れそうなくらい近いんだよ、てめぇ!!これ以上、俺に近寄るなよ!」

エンゼル「ああァ?!何が近いんだよっ、ふざけんな、お前から2メートルも離れてやってるだろが!?
      測ってみろ、ボケ!この距離のどこが近いんだッ!てめぇ近眼か!
      てめぇの半径50センチ以内に入ったら、番犬が俺を仕留めに来るっつーんだよ!」
キ ラ  「立ち位置の距離じゃねぇよ、バカ!!…ほんと使えねぇな、お前!!
      俺の半径50センチに入ってくる度胸もなくて、よくも………
      よくも、この俺さまに、あんなことができたな、ヘタレち●ぽ野郎!!」

エンゼル「\(◎o◎)/!…ちょチョチョチョ、チョット待てぇぇぇぇぇぇ!!
      待て待て待て!!!待て!待ってくれ・゜・゜・\(゜ロ\)(/ロ゜)/・゜・゜・
      ま、ままま、まだそれを蒸し返す気かよ、おまえ!?いったい、なんなんだ、
      俺だってな、あのことは気持ち悪いんだよ!記憶が混濁してて、はっきり覚えてねぇんだ!
      せっかく、誤魔化してんのに…くそ、―――わかった。覚悟してやらぁ。
      この際、白黒、ハッキリさせようじゃねぇか?!ああ?!」

キ ラ  「今の無し」

エンゼル「・・・・・・・・・・・は?<(゜.゜)」


キ ラ  「だから、今のは無しだよ。
      何にも云ってないことで。じゃ、サヨウナラ、エンゼルくん」

エンゼル「いや、待てよ、がっつり云っただろう、いま、恐ろしげなことを、フツーに…!」
キ ラ  「恐ろしいなら、忘れてろよ。永遠に忘れてたらいいだろ」
エンゼル「そういうことじゃねぇって、ちょっと待て、お前が言い出したんだろ、」
キ ラ  「何にも云ってない。考える必要なんかない」
エンゼル「おい!!」

キ ラ  「じゃあ、質問は一回だけ。あとは却下だから」

エンゼル「えぇっ?!Σ( ̄□ ̄)!
      (一回って、一回で正確な答えを導き出さなきゃなんねぇのかよ?
      じゃ、何を聞いたらいいんだ?何を聞いたらノー疑問でこの問題をクリアできるんだ?
      何て聞いたら『あの時』のことは、正確に納得できる真実が分かるってんだ??
      お前は俺とセックスしましたか?なのか?
      いやいや、もしもこれが肯定だったら、何で?って疑問が残るだろ。それが問題なんだろ?
      チャンスは一回だ、ええと、よく考えろ、考えろ、おれぇぇぇ!!
      \(゜ロ\)(/ロ゜)/)」
←どんだけ真面目なんですか
     
キ ラ  「…はい、あと5秒、4、3、2…」
エンゼル「げっ!?待て、時間制限まであんのかよッ!?Σ( ̄□ ̄)!」
キ ラ  「ルールを決められるのは、カードを持ってる親だけです」
エンゼル「ゲームじゃねぇんだよ!ちょっと待て、今、考えてんだ…もうちょっと…」



キ ラ  「タイムアウト。…答えは、マスターベーションだよ」



エンゼル「―――――え。」



キ ラ  「お前があの時、やったのは、単なる恥かしい自己手淫だけだ。
      俺には指一本、触れてない。あんた、俺と何かしたとでも思ってたのか?
      ずうずうしいんだよ、てめぇ。てめぇなんかに、俺がさせるわけねぇんだよ。
      常識で考えな。もし俺としたって記憶があるなら、そう脳が勘違いしただけだ。
      ただの、脳刺激だよ。…そういう薬だったんだ、あれは」
エンゼル「そ、う、なのか??」

キ ラ  「そうだよ。これで安心した?」

エンゼル「…お前、もしかして、俺らの部屋、盗聴してたんじゃねぇよな?」

キ ラ  「こんなとこまで来て、するわけないだろ。
      良かったな。大嫌いな俺に、手を出すようなケダモノじゃなくて。ホナ、サイナラ」
エンゼル「ちょ、待てよ、キラ…!!」
キ ラ  「まだ何か用?…ちょっと、手、放せよ。何やってんだよ…番犬が来るぜ…」
エンゼル「や。…いや、すまん、何やってんだろうな、マジで…。
      けど、何か、そうじゃなくて…あのな…俺は…


     ―――うわっ!?…イテッ!いてててッ」




番 犬  「エンゼル。キラに触るな」

エンゼル「番犬…!!」

番 犬 「いいか、お前だから半径50センチまで許してやってる。友人規格だ。
      いくらトリアタマでも、それくらいは覚えて、守れ。命取りになるぞ。
      キラに触ったら、腕をねじ上げるだけじゃ済まないぜ。次は5分、落すからな」
エンゼル「…わ、分かってるっつーんだよ…。何にもしてねぇよ。
      (半径50はお友達規格だったのか…落すって失神のことだよな?)」

番 犬  「―――お前もだ、キラ。いい加減にしろ。
      今日、エンゼルは電タブ社のゲストだ。ボスに言いつけるぞ。からかうなら、今度にしろ」
キ ラ  「アンタ、本当に絶妙なタイミングで出て来るよね。前々から思ってたんだけど、
      どっかで俺のこと、見てるワケ?俺にGPSでもつけてるの、ストーカーくん?」
番 犬  「確かに今回に限っては、お前がモニターしてた画面で、見てたがな。
      どうした?システムを外し忘れたのか?それともそんな余裕がなかったか。
      面白い場面だったな?新しい演出か。それとも――案外、本気か?」

キ ラ  「!!!」

エンゼル「…は?モニター?こんなとこでも、覗き活動してんのかよ」
キ ラ  「い、つから、見・て・た!?この、デバ犬が…」


番 犬 「最初からだ」


★★★★★


エンゼル「…おい。…番犬よぅ。
      キラのヤツ、なんか赤い顔して猛ダッシュで走り去っちまったぜ?
      追いかけなくていいのか?相当怒ってたぜ、アレ。あと大丈夫なのか?」
番 犬 「人に狩りを見られるのは、いい気分じゃないことが、分かったんだろ」
エンゼル「??」

番 犬 「エンゼル。何度もいうが、キラの下手な手口に、乗せられるな。
      キラは、お前を壊す気だぜ。あいつのタラシ演技にうっかり気を許すな。
      前にも云ったはずだ。本当に壊されるぞ。危なっかしいヤツだ」
エンゼル「…あ?ああ、そりゃそうだ。俺は大丈夫だ、お前に危ない言われたかねぇよ。
      キラに気なんか許してねぇし…本気にするわけねぇだろ。
      ネカマ状況のキラ相手じゃあるまいし…本物のキラで騙されるかよ。
      それに俺は…ヤワじゃねぇし鈍感だから、壊れることなんかねぇよ。
      おまえ、俺を心配してくれてんのか、番犬…」

番 犬 「エンゼル。お前、キラとやったのか。正直に吐け。
     前もそうだったが、お前がさっき、キラの腕をつかんだのに、
     あいつは冷静だった。そんな筈はない」

エンゼル「えッ!?いや、イヤイヤイヤ…何を言い出すんだ。や、やってねぇって。
      そんな筈はねぇって何だよ。だんだん、慣れてきたんじゃねぇのか?」
番 犬 「そうか?だが変な気を起さないよう、気をつけてろ。だが…」
エンゼル「え?まだ何かあんのかよ(…ドキドキ)」

番 犬 「あいつが自身の体までエサに使うのは、ありえないな。
     キラは自分から触るのは平気だが、人に腕をつかまれたりすることは、苦手だ。
     普通なら、悲鳴をあげるくらいの拒否反応を示す。ボスとラスと、俺以外は、
     キラには触れない…筈だ。だがヤツは性交に関しては、恐怖症があると俺は踏んでる。
     だから、その手のことは、無理だ」

エンゼル「え、そうなのか?でも…さっきはそうでも…いや、そうなのか。
      …つーか、お前が大丈夫なのは、何でだよ?」

番 犬 「俺は用心棒だ。怖がられたら、護れねぇだろ」
エンゼル「ふーん。(…そうか…でもなんか…気にいらねぇ)」


でも、そうか。
じゃ、やっぱ、ホントにあれは―――
ただの脳内刺激だったのか…。なんだ、そうかよ。








・・・・・・アレ?


なんだって、なんだよ。
このガッカリ感は、なんだ??
違う。違う。いや、これは違う、ガッカリなんか、してねぇって。
ガッカリじゃなくて…そうだ、ほっとした、感だ。

そうだ。ほっとした感だろこれって。当然そうだろ。
この気持ちは、ほっとした感、だ。
うん、間違いないな、いくらMB出生でもそれくらいの感情はわかるさ。
そうだ、キラとなんか、本当にやってねぇわけだし。
やっぱ、実際にも、ただマスかいてただけで、間違いなかったんだし。
いや〜良かった、良かった、ははははは。




… って、良かったのか?
冷静に考えたら、かなり男として、これって侘びしい結果じゃねぇ?
めちゃめちゃ、侘しいだろ、オレ。ただのひとりえっちだぞ。
精神的なマスターベーションだったんじゃなくて、肉体的な、自慰行為だ。
相手が誰か以前の、空しい問題じゃねぇ?

それはそれで、どうなんだよ?
折しも今日は、バレンタインデーなんだぜ?
今日のこの日に、世界中でいちばんトホホな男だろ、オレ。


何がセント・バレンタインデーだ。それが何ンなんだよ?!

ハアァ?!ざけんなよ、
ンなもん、失恋キングのエンゼルさまには、ぜんぜん関係ねぇぜーーッ!!
(-_-メ
バレンタインなんぞ、クソくらえだ!!



「地獄で会おうぜ、ベイベー!」

■END■

※この物語はサイト企画用であり、本編の物語とはいっさい関係ありません。…多分。