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ROOM 01
■ダーティマザー&ミモザの部屋■

登場人物:ダーティマザー/ミモザ
場所:不気味な洋館(Fの館) ゲスト部屋



私の名前は、ダーティ・マザー。
電脳タブロイド社の、皆の頼れるステキなお姉さん的存在よ。

今日は、当社のボス・バカラの計らいで、冬の社員旅行に出たまでは
良かったんだけど、森を通る途中で、雪が積もって道に迷っちゃったのよね。
そもそもキラの別荘なんかに行こうとしたのが、間違いだったのよ。
だいだいあの子は、プライベートジェットがあるんだから、
それを出してくれりゃいいのに、ケチって馬車なんかにするから、
こういうことになるのよね。あの子がいると、ろくなことがないわ。

しかも馬車って何?一体いつの乗り物なワケ?
森を越えるにはやっぱ馬車だろって、ボスの根拠不明なテンションのおかけで、
あたしたち、こんな目にあってるのよね。
ほんっと、バカラも意味不明なオヤジだわよ。

吹雪の森で道に迷って、不気味な洋館で、一夜を過ごす羽目になるだなんて…。
これって、ありえないくらいミステリとかスリラーで、よくある展開じゃない?

森で出遭った不気味なお屋敷に、不気味な執事。
そして姿を見せない謎の主。
ホラ、実は主はドラキュラ伯爵だったとか、そういうホラーな展開よ。
そして、朝には、誰もいなくなってたりして…きゃー!!

まさに、そんな状況と風情なのよ。
幸か不幸か現実には、やっぱり不気味な、でもちょっとマッチョな執事が、
出迎えてくれて、夕食までありつけたのは、ラッキーだったんだけど、
なんだか落ち着かないし、好奇心うきうきのボス以外、誰もが不機嫌だし、
夕食が終ったら、みんなそれぞれ念のため二人一組で部屋決めをして、
各自、ゆっくり休むことにしたんだけど…。
だって、ひとり部屋で過ごすなんて、そんなの耐えられないでしょ。
でも、まだ朝まで時間がたっぷりあるのに、部屋で何をしろっていうの?
各自部屋に戻ってからが、もう退屈で退屈でしょうがないって感じよ。

屋敷内は散策しても構わないって言われたけど、
なんだか不気味で、出歩く気にはならないわよね。
ボスはラスと相部屋で、なんだかすこぶるご機嫌さんみたいだったけど。
キラだっているっていうのに、どういうつもりかしらね、バカラったら。
まったくスケベなんだから。いやだわ、ホント男って。
…ほんと、バカラのバカ。

ひとの気もしらないでさ…。



★★★★★


ミモザ「マザー、さっきから何を打ってるの?」

マザー「あら、ミモザ。まだ起きてたの?
     これは日報よ、日報。あたし毎日ちゃんと日報つけないと寝れないのよね」
ミモザ「旅行のときくらい、仕事は休めばいいのに」
マザー「だって、何もすることないじゃない!!」
ミモザ「それは、そうだけど…」
マザー「時間も早いし、眠れないわよ。何が嬉しくてこんな不気味な洋館で過ごさないといけないのよ。
     バカラの能天気も大概にして欲しいわ。そうだ、女子会しましょうよ、ミモザ♪
     だいたい、今日はバレンタインデーなのよ。ガールズトークは、もちろん恋バナね♪

ミモザ「女子会って、マザーは男じゃない」
マザー「まっ!失礼ね!男じゃないわよ!ニューハーフよ!
     女子みたいなものだわ。だからあんたと同室なんじゃないの」
ミモザ「それはそうだけど…」
マザー「あんたは、女にしては色気がないけどね」
ミモザ「うっ……どうせ私は…(T.T)」
マザー「ほらほら、もー、泣かないの!見た目は悪くないんだから」
ミモザ「…ほんとう?」
マザー「そうよ。可愛いわよ。もしあたしが男なら襲ってるわ」
ミモザ「…!!」

マザー「…はいそこ、本気にして隅まで猛ダッシュしない。
     誰があんたなんか襲うもんですか」
ミモザ「やっぱり…あたしなんか…(えぐえぐ・゜・(>へ<)・゜・)」
マザー「違うってば。あたしは、男が好きなの。はい、鼻かんでね。
     あんたも恋すれば、少しは色気が出るわよ?好きな人はいないの?」
ミモザ「えっ、す、好きな人?えっと…ええと…好きなひと??」
マザー「とろくさいわねぇ。考えないと出てこないようじゃ、恋じゃないわね」
ミモザ「…(T.T)だって、周りに普通の男の人はいないもの…」
マザー「確かにね。うちの会社じゃ、いないわね。みんな変人か変態で、
     ホモばっかりだわ。ホント呆れちゃうわよねぇ!
     こんなにいい女が二人もいるのに!」
ミモザ「そこで突っ込むべきなのかどうか…マザーはいないの?好きなひとって」

マザー「えっ。あたし?!」
ミモザ「どうしたの?何をビックリしてるの?」
マザー「だって、い、いきなり好きなひとなんて云うから…」
ミモザ「マザーは、ボスが好きなんでしょ?」
マザー「ええっΣ(〃 ̄□ ̄〃)!」
ミモザ「あ、…ふふっ。そうなんだ…やっぱり(^-^)」

マザー「な、何を…ち、違うわよ!」
ミモザ「ボスってカッコいいものね。キラの…愛人じゃなきゃ良かったよね」
マザー「フン…キラが愛人のくせに、よくラスと同じ部屋に泊れるものだわ」
ミモザ「キラは、本当はボスの愛人じゃないのかも…」
マザー「!まさか。そう?だってベタベタしてるわよ、あの二人」
ミモザ「キラは…心を許してる人が、ほんとにいないから…。
     多分、いてもボスくらいなんじゃないかしら」
マザー「あんた、やけにキラを語るじゃない?」
ミモザ「だって…キラは、ちょっと…」
マザー「なあに?」

ミモザ「キラは、本当は寂しがり屋さんだから…」
マザー「……ハイ?いま、なんて云ったの?ミモザ??」
ミモザ「え…だから、キラは、お友達が少ないじゃない」
マザー「お友達ィ?そんなこと思うの、アンタくらいじゃない??
    奴のどこ見て、そんな寂しさが伺えるのよ?!
    寂しがり屋さんってツラなのアレが?!
    冷血で嫌味でムカツクことしか言わない生意気なガキだから、
    誰も友達にならないのよ!でも手下やファンは一杯いるし、
    それでいいんじゃないの?崇めて欲しいだけでしょ」

ミモザ「え、でも、だって。でも、キラは見た目はとても綺麗な子で…
    誰でもキラを魅力的だと思うけど、キラはファンから尊敬されてて、
    祭られるばかりで、手で触れられる距離に誰もいないのは、
    とても孤独なんじゃないのかな…天才は孤独っていうし…」
マザー「天才の孤独?そんなの自業自得じゃないの。甘えてるわ。
    どうせアイツは孤高の天才だと自分で思ってて、それさえも威張ってるわよ」
ミモザ「そうかなぁ。そうかもしれないけど…キラの長い綺麗な睫とか、
    天使みたいに眠ってるとこ見てると…ちょっと何だか儚げで、胸が痛む…」
マザー「なにそれ。じゃ、あんたが友達になってあげなさいよ」

ミモザ「ええッ〜!
    イヤァー!!キラ、コワイ…!!Σ( ̄□ ̄ll)!」


マザー「…あんたの言動って、キラ並みにどっかオカシイわよミモザ。
    感化されたんじゃないの。地獄で会おうぜ、ベイビー?」



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