Hope
07
4月1日翌日(4/2) AM.02:00
登場人物:リン/ナルセ/レイジ/マック
場 所:眠らない街の一角
リ ン「やぁー、飲んだ、飲んだ!!
今夜は、久しぶりにナルセと飲み会できたよなぁ♪」
ナルセ「リンと一緒に飲むのは、久しぶりだったな」
リ ン「そうそう。俺たち、親友なのに。でもまだ帰らないよな? 始発までいいだろ?
すげぇ愉しかったよ。なんていうか……。
……まったく話をしなかった微妙な二人を除いては、な」
ナルセ「そうだな。ちょっとひとこと、云っとくか……。
おい、二人とも。いい加減にしたらどうなんだ?
何かお互い言うことあるんだろ? なんとか言えよ、マック? レイジ?」
リ ン「ちょとまてチョトまて、ナルセくんってば。
やっぱ後ろをハンパない空気で歩くお二人は、ケンカしてるわけなのかい?」
ナルセ「らしいぜ。犬も食わないやつなんじゃないの。痴話ゲンカだ」
リ ン「いや、本当にそうか? でもさ、かなーり、深刻そうな感じがするけど……
険悪な空気で、ずっと黙ってるんだけど」
ナルセ「理由が理由だし、仕方ないよな。また別れるのかもしれないな」
リ ン「おまえと豪みたいなこと言うなよ。いったい何があったんだ……。
聴きたくないけど。つーか、何をしでかしたんだ、マックは。
どうせ原因は、マックだよな? あいつ、本当に一本線だからな。バカだよ、バカ」
ナルセ「みんなから、バカだと思われてるなんて、やっぱりアイツ、バカなのか?」
リ ン「みんな、そう思ってるんだ? 正直、良いヤツだけど、恋愛バカだよ、マックは。
寄り道を知らん突っ走りヤンキーくんは厄介なんだ。脱線に意外と弱いしさ。
だけどさ。そんなことよりだ。一体、どんな失態をやらかしたんだ、マックのヤツ。
レイジがあそこまで、表に出してゴキゲン悪くなること、かつてないだろ?」
ナルセ「そうだな。確かに本気で不機嫌を、隠そうともしないレイジは、らしくないな。」
リ ン「そうだよ。あんなレイジ、見たことないよ、俺……」
ナルセ「うん。でもさ、昔のレイジは、結構あんな感じだったんだよな」
リ ン「そうなの?」
レイジ「おい。おまえ」
マック「……えっ。お、俺? ですか?」
マック「そうだ。シックスティーズのベース、マックに言ってるんだ。
おまえにちょっと話がある。二人だけで話したい。
悪いがナルセとリンは、ここでお別れだ。構わないか?」
リ ン「はいはいはい、もちろんさようなら。夜道、気をつけて帰れよな。
……おい、マック、いいから謝っておけよ!?
なんか知らねぇけど、とりあえず謝れ! お前が悪いに決まってる!」
マック「るっせぇよ。バカバカ云いやがって。わかってんだよ。
わけも知らずに俺だけ悪者にするな、リンのボケ……」
photo/R