Hope


04
4月1日 PM.11:50

登場人物:マック/ナルセ/リン/メリナ/ヘミ/レイジ
場 所:某ライブバー





マック「……げッ……!! ナ、ナルセ?!」

ナルセ「マック。こんなところで何をしてるんだ、いったい」

マック「いやぁ、何かと云われましても……俺ら、バンドマンなので、
    ライブバーですることと云えば、飲むか、ライブステージですよね?」
ナルセ「ふざけるなよ、お前な……」

リ ン「おッ?! そこに見えるは、ナルセさまじゃーん!?
    どうしたんだよ?! おっかえり〜! 豪は一緒じゃないのか?
    あれっ、レイジが一緒なのかよ? なんだ、なんだ? レイジも久しぶりだなぁ。
    ナルセ、おまえ豪ちゃんとのアメリカ旅行、帰国はもっと先じゃなかったっけ?」

ナルセ「予定が変更になって、昨日、帰ってきたんだ。
    それより何でこんな店に、セブンレイジィロードが出てるんだよ。
    ステージに出てたんだよな? 出口で帰るお客さんが口々に言ってたけど。
    今日は、メリナのソロライブのはずだろ」
リ ン「おーい、ナルセくん! こんな店って云い方は失礼だよなぁ?」

ナルセ「そこじゃない。そういうことを云ってない。誤魔化すなよ、リン。
    何故シックスティーズ以外で、セブンレイジィがステージしてるんだって話だ」
リ ン「いやん、ナルセさん、恐い顔しないで。
    今日はエイプリルフールだよ? お客さんをビックリさせるサプライズ・ライブさ。
    ちゃんとうちの店長の許可は得てます。結構、面白かったよな、マック?」
マック「え、ああ、まぁ……皆とやるのは、久しぶりだったしな」
ナルセ「いったい誰の発案だ? マックなのか?」
マック「ち、違いますっ。僕じゃない、メリです!」

メリナ「あ〜〜っ!!
    ホントにナルセさんだぁ♪ おかえりなさい。いつ帰国したんですか?
    レイジさんも一緒だぁ。いらっしゃい〜♪ でも来るの遅いですよ〜、
    もうセブンレイジィロードのサプライズライブ、終わっちゃいましたよぅ?」
ナルセ「おまえのソロライブを観に来いって、こういうことだったのか?
    ったく。もし間に合ってたら俺にも歌わせたんだろ、どうせ。
    もう二度と、シックスティーズ以外で俺は歌わないからな」
メリナ「うふっ♪ バレマシタ?
    だって、ナルセさん、こういうの相談しても、絶対出てくれないでしょ?
    エイプリルフールで騙して来て貰って、無理やり巻き込もうと思ってたのにぃー」
リ ン「うわ。メリちゃん、ナルセ相手にやること本当に破天荒だね……恐いわ」
メリナ「だって、ヘミたんもそれがいいわねって言ったもーん♪ ねっ」
リ ン「ヘミもグルなのか……恐いわ〜、女子ら、、、」

ヘ ミ「何が恐いの? ナルセ、お帰りなさい。でも遅いわよ。
    ぜんぜん遅刻じゃない。あら、レイジも一緒? 豪は?」
レイジ「やぁ、女王さま。4月バカの秘密のお遊びは面白かった?」

ヘ ミ「そうね。でも楽しいプレイはもう終わったわよ。帰るけど、あたし」
ナルセ「ヘミまでのるなんて、何だ。こういう悪ふざけが好きだとは知らなかったな」
ヘ ミ「そう? あたしは面白そうだったから、イベントに参加したまで。
    シックスティーズも休みだし、長いこと音楽を離れてると指が鈍るもの。
    リハビリになったわ。あなたも歌えば良かったのに。
    客席はもう空だけど、今からでも唄えば? 内輪ライブね」
ナルセ「内輪? そんなのに歌うかよ」
リ ン「まーまー、堅苦しいことは置いといて、せっかくだから飲もうぜ!
    シックスティーズの休業から久しぶりにバンドメンバー、揃ったじゃん?
    あんまり皆で飲む機会ないし、宴会にしよう。改装後のミーティングも兼ねてさ。
    キタさんはいないけど、レイジもいるし。それよりナルセ、豪は?」

ナルセ「豪は……」


レイジ「この曲、『誓い』だな? 良い音色だ。あれは誰だ?」

ヘ ミ「―――ええ、そうね。メリちゃんの今日の相棒、ヒカルさんが弾いているのよ。
    ナルセに歌えってことじゃないのかしら?」
ナルセ「バカ言え、だから俺は歌わないって」
リ ン「あーぁ、またメリちゃんが無理言って頼んだんだな。可愛そうに。
    ヒカルのやつ、憧れの先輩を歌わせることに加担して、すでに顔面蒼白で弾いてるぜ」

ナルセ「だから歌わないんだって。あいつ、メリナに本当弱いな。
    だけどヒカルは、本当にピアノが上手いよな……」
リ ン「だよなぁ。メリちゃんの即興難解リクエストも、すぐ弾けちゃうんだぜ。
    いいねぇ〜。この曲、この音色。グッとくるよな。スタイリスティクス、好きだァ。
    なんかうずうずしてきた。いっちょ俺もドラム、加担しよう〜♪
    マックも弾けよ。コード、わかるだろ? これアルーシャでやってたんでない?」
マック「え、お、おう……演った」
ヘ ミ「そうね。ヒカルは才能あるわ。ほとんどの曲を初見で弾くのよ、彼。びっくりした。
    きれいなメロディ……。あたしもこの曲は好き。ナルセも好きでしょう?」
ナルセ「好きだけど、歌うのとは別だからな」

ヘ ミ「今日は彼、みんなに騙されて酷い目にあったのよ。無視じゃ可哀想だわ。
    先輩として、何かご褒美があってもいいのじゃない。ねぇ?」
レイジ「ヘミは優しいな。ナルセの歌がタダで聴けるなら、おれもぜひ聴きたいもんだね」
ナルセ「そんな口車にのるわけないだろ。ヘミは、俺の歌なんか聴きたいのか?」
ヘ ミ「聴きたいわよ? ナルセは歌わないの? こんなにきれいな伴奏を、聴くだけ?
    そんなの勿体ないわ。みんな、あなたの歌を聴きたい。
    シックスティーズを休んで随分、聴いてないわよね。
    見て。リンもマックも、ニノも出て来て、前奏を弾きだしたわよ。リピート待機。
    あとは歌だけね。それともシックスティーズではあまりやらない曲だから、
    まさかあなたは、歌詞を知らないのかしら?」

ナルセ「……覚えてろよ、この小悪魔どもが」
ヘ ミ「豪に捧げるつもりで、歌えばどう?」
ナルセ「いや――。今夜はレイジに、捧ぐよ」
ヘ ミ「そうなの? 珍しいわね。いったい、どうしたの?」

レイジ「ヘミ。君には悪いけど、おれたち、もう一度、付き合うことにしたんだ。
    ごめんよ、泣かないでくれよな。勿論ヘミのことも、おれは愛しているけど」
ヘ ミ「へぇ? レイジの冗談はいつものことだから、驚かないわよ」
レイジ「嘘の日だから、逆に真実ということもあるよ。もしかしたらね」

ナルセ「……かもな。
    『You Make Me Feel Brand New――』」





♪ my love……

  I'll never find the words, my love…… ♪


ヘ ミ「呆れるくらい、ナルセが歌うとどこでもシックスティーズになるわね」



−誓い−
http://moon.ap.teacup.com/believe/1408.html(和訳転載元)


愛しい君
なんて言ったらいいんだろう?
この気持ちを君にどう伝えればいいんだろうか
言葉なんかじゃ表しきれない
大切な君

僕のすべては君の手の中で、
すべてを作っているのは君なんだ
どうやって生きていけばいいのかを教えてくれたんだ

君だけが
誰かが必要なときにそばに居てくれた
いつだって僕を信じてくれていた
この歌を君にささげる
感謝と愛で満たされているんだ

神のご加護か
君は僕を生まれ変わらせてくれる
神の祝福を受けて僕は君と一緒にいる
君は僕を生まれ変わらせてくれる
君がいるから、この歌を歌うんだ
生まれ変わったような気分だよ

愛しい君
僕が不安になった時はいつも、
励まし、元気付けてくれた
自信を取り戻させてくれたんだ

大切な友
君は一生の友だ
ずっと一緒に歩いていこう

君がいなかったら
意味も、味も素っ気もない人生だ
調子っぱずれの唄みたいなものだ
どうしたら恩返しが出来るだろう




photo/R

参考:咲子の妄想ライブ日記 2015-04-06付 2015-04-30付


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